ドラ10→HR王、ドラ9→首位打者… 下位指名の評価を覆した“下克上”選手たち
ドラフト10位のオリックス・杉本裕太郎、5年間で9本塁打→1年で32本塁打
プロに入れば、順位は関係ない――。そんな球界の格言を体現した選手は少なくない。ドラフトで下位指名ながら、タイトルホルダーになった成功例も。入団時の評価を見事に覆した近年の“下克上選手”たちを取り上げる。
2021年シーズンで象徴的だったのが、32発を放って本塁打王とベストナインに輝いたオリックスの杉本裕太郎外野手。2015年ドラフト10位でJR西日本から入団。2020年まで5年間で9本塁打とくすぶっていたが、いきなり覚醒。6年がかりのサクセスストーリーを演じた。
昨季はセ・リーグでも下位指名のタイトル受賞者が誕生。2020年のドラフト6位で三菱自動車岡崎から入団した阪神の中野拓夢内野手は、ルーキーながら盗塁王を獲得した。昨季最多勝と勝率第1位に輝いたチームメートの青柳晃洋投手も、もとを辿れば2015年ドラフト5位と高い順位ではなかった。
杉本のような極端な下位でみると、2020年に首位打者を獲得したDeNAの佐野恵太外野手も2016年ドラフト9位。ラミレス前監督に見出され、主軸の地位まで一気に駆け上った。明大の同級生では中日1位で柳裕也投手、ヤクルト2位で星知弥投手が指名されていたが、大きく開いた順位を全く感じさせない結果を残す。
2年連続で9勝を挙げた巨人の戸郷翔征投手も2018年ドラフト6位。巨人のセットアッパーを担う高梨雄平投手も、楽天入団時は2016年ドラフト9位だった。もう少し遡ると、今オフに大型の6年契約を結んだDeNAの宮崎敏郎内野手が2012年ドラフト6位など、決して上位指名の選手たちがチームを支えているわけではないことがよくわかる。
球団によっては、上位指名の選手が先に戦力外になる“逆転現象”が起きているケースも。2021年ドラフトのルーキーたちも、下位指名の選手が躍動を見せてくれるかもしれない。
(Full-Count編集部)