筒香嘉智が故郷・和歌山にアカデミー設立 天然芝グラウンドなど総工費2億円
広さ3万平方メートル、将来的には少年野球チームの創設も視野
パイレーツの筒香嘉智内野手が故郷の和歌山県橋本市に「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY(筒香スポーツ・アカデミー)」をオープンさせる。総面積が3万平方メートルにも及ぶ広大な土地には、両翼100メートル・中堅120メートル以上ある内外野天然芝の本グラウンド、同じく天然芝の内野サブグラウンド、室内練習場が並び、総工費は約2億円となる見込み。「子どもたちが野球の楽しさを知り、生涯を通じて野球を楽しむスタートになるような場所にしたい」と想いを込めた。
DeNA在籍時から野球界の将来を思い、様々な提言をしてきた筒香が動いた。ウインターリーグを経験したドミニカ共和国で見た、子どもたちが笑顔で野球に取り組む光景を再現するべく、自身が生まれ育った故郷にスポーツアカデミーの設立を決断。「ベイスターズ時代から子どもたちが本当の意味で野球を楽しみ、成長できる環境の必要性を感じ、自分なりに発信をしてきましたが、その思いを実現するため」と背景を語る。
施設の細部にもこだわりを見せた。本グラウンドと内野サブグラウンドには「天然芝を張って子どもたちが思い切ってボールを追いかけられるようにしようと思っています」。米国ではメジャー、マイナーともに球場のほとんどは天然芝グラウンド。人工芝に比べ、成長期にある子どもたちの体への負担も少なく、思いきり白球を追える環境を整えた。すでに室内練習場は完成し、グラウンドは2022年中の完成を目指している。
総工費はおよそ2億円とこちらもメジャー級。シーズン中は故郷で子どもたちにスポーツの楽しさを教える実兄の裕史さんが施設を管理し、オフの帰国時には筒香自身が自主トレの場としても活用する予定だ。
将来的には「筒香スポーツ・アカデミー」を拠点とする少年野球チームの創設も視野に入れており、「ここから大勢の子どもたちが野球の楽しさを知り、高校、大学だけでなく生涯を通じて野球を楽しむスタートになるような場所にしていきたいと思っています」というビジョンを持つ。
現役のうちに野球施設を作り、子どもたちの活動の場として提供する例はあまりない。大好きな野球を未来へ繋いでいきたいという筒香の純粋な想いが、また球界に新たな道を切り拓いた。
(Full-Count編集部)