牧田和久が活路見出す“魔球” 揺れて落ちる軌道で「打者の反応を見たい」
新球・フォークの完全マスターを目指している「バットの芯を外す」
昨オフに楽天から自由契約となっている牧田和久投手は、今も無所属のまま自主トレを継続している。4、5勤1休のスケジュールで汗を流す中で新たな勝負球に着手している。アンダースローにとっては習得の難しいフォークだ。NPB復帰を目指すベテラン右腕の“魔球”に迫った。
古巣・日本通運グラウンドでの強めのキャッチボール。サブマリンが聞きなれない言葉を発した。「フォークいきます」。こう伝えると、いつものようにテンポ良く投球。ここから見慣れない軌道を描いた。高く浮いたボールは揺れながら落ちていく。まるでナックルのようだった。
キャッチボール相手が捕球にも“苦戦”する新球。人気漫画「ドカベン プロ野球編」の“小さな巨人”里中智がスカイフォークを操っていたのは有名だが、一般的にアンダースローの落ちる系の球種はシンカー。牧田がフォークを試投したのも楽天に所属していた昨季途中からだった。「遊び半分で投げてました。(昨季中は)試合では使えないと思っていたんですけど、練習でやっていく中で使えるかなと」。
リリースの際は右手首を“立てた状態”で投球する。「まだ実戦では投げてないので。打者の反応を見てみたいですね。ストレートに近い速さでバットの芯を外すことができれば、ゴロを打ち取れる可能性が高くなると思います」。孤独な自主トレを続ける中で“魔球”の完全マスターを目指している。
現在、NPB球団からのオファーはないが、国内の独立リーグ球団や海外リーグから連絡をもらっている。「やれるだけのことをやっていきたいと思っています」。揺れながら落ちる独特の勝負球は今後へのアピールとなるはずだ。