メッツ超有望株が歩いた“転落人生” 311勝投手の「再来」と期待された右腕の末路
米球界に衝撃、マット・ハービーが告白した薬物の提供&使用
マット・ハービー投手が過去の薬物使用を告白し、米球界に衝撃が走っている。ニューヨーク紙「NYポスト」は、メッツ在籍当時は将来のエース候補として有望視されていた右腕の“転落人生”を伝えている。
事の発端は、元エンゼルスのタイラー・スカッグス投手が2019年に遠征先のホテルで急死した事件の裁判。ハービーらが薬物の提供や使用を認め、球界の闇が露わになった。
ハービーは2010年のドラフト1巡目でメッツに指名され、2012年にメジャーデビュー。直球とスライダーを武器に翌2013年には9勝5敗、防御率2.27で球宴にも選出され、15年には13勝をマークした。OBで通算311勝をマークした殿堂入り投手のトム・シーバーの再来とまでの期待を受け、当時のファンから人気を博していた。
順調に成功者としての階段を上っていたかと思われたが、良い流れはそう長く続かなかった。記事では、パーティー好きが原因で2015年の地区シリーズの前の練習を欠席したり、登板日をすっぽかすなどハービーの“素行”に問題があったことを指摘。「メッツを去る頃には、彼は崩壊していた。心身共にである」として「(コカイン使用の告白に)驚いたメッツの関係者はほとんどいないだろう」と伝えている。
2013年にトミー・ジョン手術、2016年には胸郭出口症候群の手術を受けるなど怪我にも悩まされた。2018年まで同僚だったジェイコブ・デグロム投手も過去に「大事なことは怪我をしないようにすること。言うだけなら簡単だが、どうすることもできないものもある。ハービーがその状態になってしまって、手術を受けた。分からないことがたくさんある」として、162試合のシーズンでプレーし続けることがいかに難しいかを説いた。
2015年終了時を境に下降線を辿ったハービーは、2020年にはキャリア初となる未勝利に終わり、防御率は2桁の11.57。昨季はオリオールズで28試合に登板したが6勝14敗、防御率6.27と屈辱を味わった。オフにはFAとなり現在はロックアウト中ということもあり新天地は未定となっているが、薬物使用を認めた右腕には今後どのような運命が待っているのだろうか。
(Full-Count編集部)