熾烈な競争か、アピール不足か…「頭が痛い」鷹・藤本監督を悩ませる“開幕スタメン”
「本当に頭が痛いわ。なかなかレギュラーが決められない」
■阪神 9ー6 ソフトバンク(オープン戦・16日・PayPayドーム)
ソフトバンクは16日、PayPayドームで阪神とオープン戦を戦い、6-9で敗れた。投手陣が9点を失う一方で、打線は10安打で6得点と状態は上向き加減。ただ、オープン戦も残り3試合となっても開幕スタメンが定まらない状態が続いており、藤本博史監督の頭を悩ませている。
大敗ムードを4回の猛攻で一変させた。この回1死までパーフェクトに抑えられていた阪神先発の伊藤将に対し、佐藤直が中前に落ちる二塁打で出塁。そこから柳田、グラシアルが連続適時二塁打で続き、栗原、松田が2者連続本塁打。怒涛の連打で一気に6点を奪って、その差を詰めた。
打線が繋がった一方で、まだ開幕スタメンが定まらない状態が続いている。オープン戦は残すところ18日からの広島3連戦だけ。現状で開幕スタメンが確定しているのはクリーンアップを打つ柳田、グラシアル、栗原の3人と正捕手の甲斐だけ。藤本監督もこの日の試合前に「難しいね。本当に頭が痛いわ。なかなかレギュラーが決められない」と悩ましい胸中を明かしている。
この日は三塁を争う松田が2安打1本塁打とアピールし、ライバルのリチャードは4打席ノーヒット。松田は一塁でも出場しており、争う中村晃はオープン戦打率.240とまだ元気がない。新助っ人のガルビスが加わった遊撃を争う今宮もこの日は3打数1安打で、ルーキーの野村勇も存在感を示す。競争が熾烈な二塁を狙う牧原大はこの日、5打数ノーヒットで、三森はオープン戦打率.242となっている。
良く言えば、熾烈な競争、陣容が豊富となるところだが、裏を返せば、指揮官への強烈なアピールに成功して争いから抜け出せた選手がいないということ。藤本監督も「競争というところがなかなか定まってこない。マッチも打ったし、リチャードは打った次の日に打たない。誰も抜け出してくれないんでね。横一線で頭1つ抜けてくれたら、こっちもいこうとなるけど、抜けるところにきてない」と嘆く。
8日後に迫ってきたペナントレースの開幕。リーグ優勝、日本一を狙うソフトバンクだが、開幕スタメンはいまだに見えてこない。残る3試合で指揮官の心を掴むのは誰か。期待と不安が入り混じる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)