20球団の大争奪戦もエ軍残留 守護神イグレシアスの決断に同僚の存在「大谷は誇り」
昨季34セーブ右腕イグレシアスは注目のFAリリーバーだった
昨オフにエンゼルスからFAとなった守護神ライセル・イグレシアス投手は4年5800万ドル(約69億1500万円)で再契約を結んだ。昨季、安定感を欠いたブルペン陣の中で孤軍奮闘。7勝5敗34セーブ、防御率2.57を記録した31歳右腕は、今季も絶対的なクローザーと期待されている。
通算140セーブを誇るリリーバーはFA市場の注目リリーバーの1人だった。フィリーズなど複数球団が獲得へ動くことが予想されていたものの、実際は「最初に20球団くらいが調査していた」という“大争奪戦”だったようだ。それでも、エンゼルス残留を決めたのはチームメートの存在が大きかったという。
「エンゼルスと再契約する上で一番のきっかけになったのが、チームの持つケミストリー。そしてチームメートたちだね」
大谷翔平投手の存在も大きかったようだ。これまでにイグレシアスは自身のSNSに大谷を登場させるなど仲の良さを見せている。水原通訳らと英語を交えてコミュニケーション。イグレシアスは大谷について「彼のことを非常に誇りに思う。僕は一緒にいる時間を見つけようとしている。彼から色々学べるからね。素晴らしいことだよ」と語った。
昨季はイグレシアス頼みだったチームの救援陣では、昨季防御率0.95だった左腕ループが昨年11月に加入。通算302試合登板の右腕テペラ、元ダイヤモンドバックス守護神のブラッドリーを獲得し、厚みが増した。昨季イグレシアスはイニング跨ぎも多かったが、マドン監督は「プレーオフに行くまでは控えたいと思っている。より実用性を引き出すためだ。それに彼の前を投げる救援投手たちも昨年よりいいからだ」と語った。
昨季チーム防御率4.69(リーグ12位)、救援防御率4.59(同14位)だった投手陣の立て直しは不可欠だ。エンゼルス愛を持つ守護神イグレシアスへ繋ぐリレーをシーズン序盤で確立させたいところだ。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)