「引退前にもう1度」再来日への思い　メジャー11年目の元ハム右腕を支えるNPBの学び

元日ハムのアンソニー・バース「焼き肉のハラミは好きだし神戸牛も」

　元日ハムでマーリンズのアンソニー・バース投手は今季メジャー通算11年目のシーズンを迎えた。ここまでメジャー計7球団を渡り歩いてきたジャーニーマンだが、2016年にNPBを経験したことがメジャーでの活躍につながっているという。

「日本からメジャーに復帰する上で一番大きなことは内角を厳しく投げるようになったことかな。メジャーの方がパワーヒッターが多い。三振か本塁打か。本塁打狙いのバッターが多いからね」

　2011年にパドレスでメジャーデビュー。2016年にNPBへ移籍するまでも主に中継ぎだったが、防御率3点台を記録したシーズンは1度もなかった。それでも日ハム時代の2016年に先発、中継ぎとフル回転して37登板（14先発）、8勝8敗、防御率3.65。「日本にはコンタクトするのがうまい打者が多い。打席で粘ってくるよね」という異国のリーグでインコースを徹底的に突いていく投球を身につけたという。

　日ハムに在籍したのは2016年の1シーズンだけだったが、広島との日本シリーズでは中継ぎで3勝を挙げて日本一に貢献した。「1番の思い出は優勝したこと。そして札幌でフィアンセと結婚したんだ。焼き肉のハラミが好きだし、神戸牛も。うどん、牛丼も好きだし、寿司も大好きだね」と明かす。現在34歳。日本球界へ再挑戦する意向も持っている。

「是非プレーしたいね。日本では楽しい時を過ごした。引退する前に、もう1度プレーしたいよ」

　2017年のメジャー復帰後は安定した成績を残し、昨季はキャリアハイの70試合登板して3勝9敗19ホールド、防御率3.82を記録。今季はマーリンズとの2年契約最終年で、ここまで4試合登板して0勝1敗、防御率2.70だ。メジャー通算291試合登板を誇るベテランが再び海を渡ることはあるのだろうか。

（小谷真弥 / Masaya Kotani）