バリエーションに富むプロ野球のオフの合同自主トレ メンバー構成はどうやって決まる?
自主トレで構成されるメンバー
キャンプインを目前にし、選手たちは今、自主トレに励んでいる。常夏の島国であるハワイを始め、グアムやサイパン、沖縄、宮崎など、その練習地は様々だ。そこでは合同自主トレーニングとして複数のメンバーで練習しているケースがほとんど。それらはどういうメンバーで構成されることが多いのだろうか。
【チームメート】
最もオーソドックスなのが同僚で構成されているグループだ。例えば、今年でいうならば、楽天の嶋基宏は銀次、枡田慎太郎、西田哲朗、中川大志、三好匠らとともに6人で沖縄に出向き、トレーニングをしている。主力選手がどういう練習をしているのか、後輩たちがそれを見て学ぶことができる。また、若い選手が1軍に昇格してきたとき、自主トレで一緒に時間を過ごしていれば、チームに溶け込みやすくなるというメリットもある。
【同じ出身校つながり】
中日の荒木雅博は熊本工高校出身。後輩である巨人の藤村大介と近年は一緒に故郷の熊本で自主トレを行っている。プロ野球の世界は先輩、後輩の結びつきが強い。先輩は後輩がプロに入ると、高校の監督、コーチ、関係者から「○○を頼むぞ」など世話役も頼まれる。そのため、かわいい後輩には飛躍してもらいたいと思っている。頼まれて断る選手はあまりいない。藤村は今年の1軍定着に向けて、守備のスペシャリストから術を学ぶ。そのほかにも大島洋平や平田良介といった中日勢も参加おり、このグループは出身+チームメートで構成されている。
【かつての同僚組】
ヤクルトからMLBへ移籍した青木宣親は沖縄で毎年、自主トレを行っている。最近ではヤクルトの外野手・上田剛史とトレーニングを実施。上田と言えば、ポスト青木とされ、青木が抜けた1番・センターの座を狙う筆頭候補だった。ただ、上田はまだレギュラー定着にまでは至っておらず、かつての師匠の技術を近くで見るために帯同をお願いした。青木も1人でやるよりは後輩がいた方が刺激になるだろう。
また、今は別々のチームになったが、かつての同僚組に入るのが、レッドソックスの田澤純一と楽天の斎藤隆投手だ。斎藤がレッドソックスでプレーしていた時期に田澤も所属し、食事や練習を一緒に行っていた。今でもつながりを持っており、斎藤が楽天の若手3人を連れ、合同で行っている。