“怪我の功名”で地力アップの西武 主力復帰で辻監督も手応え「去年とは違う」
ドームなのに雨風が吹き込む本拠地「はなわの歌じゃないけど」
■西武 11ー0 広島(交流戦・12日・ベルーナドーム)
西武は12日、本拠地ベルーナドームで行われた広島戦に11-0で大勝。セ・パ交流戦を9勝9敗(12球団中5位)で終え、パ・リーグでは首位に6.5ゲーム差の3位につけている。故障で戦列を離れていた主力選手が、交流戦中に続々復帰。昨季は42年ぶりの最下位に転落したが、辻発彦監督は「去年までとは違うチームになってきている気がする」と大きな手応えを口にした。
嵐の予感が漂っていた。試合序盤、ベルーナドームの外は突然豪雨と強風が吹き荒れ、スタンドの一部にも吹き込んできた。さらに雷鳴が屋根に轟く。辻監督は「凄かったね。はなわの歌じゃないけど、ドームで傘をささないといけないよ。レフトスタンドはびしょ濡れになったんじゃない?」と苦笑した。
ベルーナドームは、屋根を柱で支える構造で、壁はなく、外気が入る。換気は抜群だが、風の強さによって雨が吹き込むこともある。辻監督と同じ佐賀県出身のお笑いタレント・はなわが歌った、映画「翔んで埼玉」の主題歌の歌詞には、それを茶化した部分があるのだ。
試合では“嵐のように”打ちまくった。広島先発のアンダーソンに対し、初回にブライアン・オグレディ外野手が先制7号ソロ。2回には川越誠司外野手が押し出し四球を選び、3回には山川穂高内野手が20号2ラン、外崎修汰内野手が3号2ランを浴びせた。4回にも広島2番手の薮田から、源田壮亮内野手が適時三塁打、オグレディが来日初の1試合2発となる8号2ランを放った。
投げては来日1年目の左腕ディートリック・エンス投手が先発し、7回3安打無失点に抑えて4勝目(3敗)。辻監督が「投手も野手も頑張って申し分ない、理想的な試合だった」と手放しで選手を称えたほどだ。