好調続く米復帰の元巨人マイコラス 米メディアがNPB経験前後の違いを検証
速球の球速とカーブの落差に変化
オフにカージナルスと2年契約を結び、今季からメジャー復帰を果たした元巨人のマイルズ・マイコラス投手。ここまで4試合先発で防御率3.46ながらも無傷の3勝をマークしている。先発4、5番手とは思えない安定のパフォーマンスを披露する29歳右腕に注目したのが、米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチックス」だ。「カージナルスのマイコラス獲得が今、重要度を増して見える理由」と題した特集記事を掲載し、NPB移籍前と今季第3戦までの数字を比較して、その違いについて検証している。
巨人に移籍する直前の2014年には、レンジャーズで10試合(57回1/3)に先発して2勝5敗、防御率6.44と奮わなかった。特集では、まず移籍前と現在の球種を比較。2014年と今季先発した最初の3試合では、速球の平均球速が93.7マイル(約151キロ)から94.7マイル(約152キロ)にアップしているという。
それと同時に大きく変化しているのが、カーブの落差だ。記事によれば、今季のマイコラスが投げるカーブの変化量は10.8インチ(約27.4センチ)で、カーブを最低50球以上投げているMLB先発投手の中では6番目に大きな落差だという。この落差があるからこそ、今季はゴロによるアウトを数多く稼げている。
だが「彼のリーサルウェポン(秘密兵器)」と指摘するのは、カーブではなくスライダーだった。このスライダーは、バットに当たった場合にはMLBトップの被ゴロ率82パーセントをマーク。さらに投げれば42パーセントの確率で空振りを奪える、文字通りの秘密兵器となっているという。記事によれば、スライダーを使ってマイコラスより高い空振り率を記録する投手もいるが、ここまでゴロを打たせられる投手は稀。右腕の価値を高める球種になっている。
また米データ分析サイト「ファングラフス」のデータも紹介しながら、マイコラスが右打者にとっての外角低め、左打者にとっての内角低めにスライダーを制球することが「ほぼ完璧」だと絶賛。高めに速球を投げた直後に低めスライダーを完璧に制球し、打者を打ち取ることに成功していると分析した。
日本で過ごした3年では、62試合に先発して31勝13敗、防御率2.18と圧倒的な成績を残した右腕。日本での経験を生かした投球で、メジャーでひと花咲かせたい。
(Full-Count編集部)