なぜ鷹チャトウッドは退団に? 今季絶望以上に重要な、残り少ない“支配下登録枠”
「契約期限が7月末。そういう観点も含めて、この時期に自由契約にさせてもらった」
ソフトバンクは14日、タイラー・チャトウッド投手が退団すると発表した。メジャー通算52勝の右腕は年俸3億5000万円で今季から加入したが、右肩の故障で1軍登板なし。6月下旬に手術を受けて今季中の復帰は絶望となっていた。
3月中旬に来日したチャトウッドはウエスタン・リーグで6試合に登板して2勝0敗、防御率2.59の成績。150キロ台中盤の真っ直ぐという触れ込みだったものの、2軍戦登板で真っ直ぐの球速は140キロ台中盤止まり。なかなか状態が上がってこなかった。5月に右肩関節炎の診察と治療のために一時帰国。再来日したものの、6月10日に再び帰国し、アメリカで右肩関節鏡視下関節唇形成術を受けた。
競技復帰までは約6か月から8か月の見込みとなり、今季中の復帰は絶望的に。チームは新型コロナウイルスの陽性者と怪我人の続出で苦しい状況に陥っている。右腕との契約は今季だけの単年契約だったため、今季中には復帰できないチャトウッドを支配下登録枠から外して、枠を1つ空け、チーム強化に活用することにした。
この日、報道陣に対応した三笠杉彦取締役GMは「そう(枠を空けるためと)理解していただいて結構です。契約期限が7月末。そういう観点も含めて、この時期に自由契約にさせてもらったということ」と説明。これで、上限の70人いっぱいに迫る69人だった支配下登録枠は68人になる。
三笠GMは今後の補強について外国人補強、育成選手からの昇格の「両面で考えているということです」という。育成選手ではウエスタン・リーグで2位の7本塁打を放ち、藤本博史監督も「2軍で調子が良い」と名前の挙げる黒瀬健太内野手などが昇格の候補になりそうだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)