元阪神助っ人が蘇らせたエ軍ドラ1左腕 正解だったノーノー達成後のマイナー降格
3Aで元阪神・カーライル氏の指導を受けてフォーム修正に取り組んだ
エンゼルスの23歳左腕リード・デトマーズ投手が“激動”の1年を過ごしている。5月10日(日本時間11日)のレイズ戦でノーヒットノーランを達成も、不調のため6月下旬にマイナー降格。7月上旬にメジャー復帰し、その後は4試合で防御率1.13と安定した投球を続けている。かつて阪神や日本ハムでプレーしたバディ・カーライル氏の助言が復調のきっかけになったという。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が伝えている。
デトマーズは今季前半からメカニックがおかしいと感じていた。だが、どこがどうおかしいのか分からなかった。スライダーが以前のようではないことにも気付いていた。ノーヒットノーランを達成した時もしっくりこなかったという。「(スライダー以外の)他の球種もすべていじった。どれも感覚が良くなかった。メカニックさえ戻ればスライダーの感覚も戻ると分かっていた。そうなれば、あらゆる道が開けると……」。ノーノー達成後の6試合は0勝2敗、防御率5.67と不安定な投球が続き、6月22日(同23日)にマイナー降格となった。
3A降格後に渡された映像が復調のヒントになった。「2つの映像を並べた映像だった。微調整だ。曲がっていた肩の線を水平に戻すだけ。前足を踏み出すとき、肩の線が曲がっていたんだ。そのせいで腕の角度がとても高くなっていた。肩を水平に戻して、腕の角度を以前のように戻した」と振り返る。
デトマーズは、この映像を用意してメカニックの問題を解決する手助けをしてくれたマイナーのピッチングコーディネーターのカーライル氏に感謝する。2人は1週間かけてフォーム修正に取り組み、左腕は3Aの試合で6回14Kの快投を演じてメジャーに復帰。その後の4先発で1勝0敗、防御率1.13、24回を投げて31三振を奪っている。カーライル氏は2001~02年に阪神、10年に日本ハムに在籍し、NPB通算7勝(15敗)をマークしている。
マックス・スタッシー捕手は「彼のスライダーのような球があることはとても大きい。右打者の内角、左打者の外角に使える。直球もよくなって、ゾーン高めに制球できている。今では直球がホップするようになった。この2つがあればMLBでは非常に有効だ」と左腕を評価する。
7月31日(同8月1日)のレンジャーズ戦では7回を3安打12奪三振2失点(自責1)の好投。2回には打者3人を全て3球三振に仕留める「イマキュレート・イニング」を達成した。同一シーズンでノーヒットゲームとイマキュレート・イニングを達成したのはMLB史上3人目だという。2020年ドラフト1巡目(全体10位)でエンゼルス入りした逸材左腕は、壁を乗り越えて更なる進化を遂げたようだ。
(Full-Count編集部)