中日20歳が叩き出すぶっちぎりの守備指標 ゴールデングラブ賞の有力候補に?

中日・岡林勇希【写真:荒川祐史】
中日・岡林勇希【写真:荒川祐史】

中日・岡林勇希のUZRは右翼手でダントツの14.9をマーク

 プロ野球もオールスターが終わり、後半戦に突入した。シーズンも終盤戦へと差し掛かり、熾烈な優勝争いも佳境を迎える。それと同時に注目なのが各種タイトル争い。今年はどの選手が栄誉を手にするかも、終盤戦の楽しみの1つとなる。

 守備の名手に送られる栄冠が「三井ゴールデン・グラブ賞」。セ・パ両リーグを代表する守備の優れた選手が選ばれるこの賞だが、その候補となり得る1人の新星に注目したい。

 それが中日の岡林勇希外野手だ。2019年のドラフト5位で三重の菰野高からプロ入りし、1年目の2020年にデビューを果たすと、昨季は24試合に出場。立浪和義監督が就任した今季は右翼のスタメンに定着し、ここまでチーム最多となる96試合に出場している。

 この岡林が素晴らしい守備指標を記録している。セイバーメトリクスの指標などを用いて分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)の指標を参照すると、守備の貢献を示す「UZR」で岡林は12球団でダントツの数値を叩き出す。岡林のUZRは14.9で、守備機会250イニング超の右翼手の中で1位。2位の万波中正(日本ハム)が6.4で、どれだけ群を抜いているか明白だ。

 岡林は途中出場だった試合も多く、ここまでの守備イニングは493イニングほどと多くない。シーズンをほぼフルで出場した仮定する1200イニングあたりの守備貢献を示す「UZR1200」にすると、岡林の数値は36.3に。これは超一流の守備の名手と言える指標の高さと言える。

 7日に行われたDeNA戦ではノーバウンドでの本塁返球でタッチアップを阻止するなど、2度のレーザービームでチームを救った岡林。ここまで打率.271と打撃面でも結果を残している若き20歳は、今年のゴールデン・グラブ賞の有力な候補となっても何ら不思議ではないだろう。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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