193億円契約も3年間で5勝… “不運すぎる”114勝左腕、地元紙が「契約破棄」提言
レッドソックスのクリス・セール投手は今季3度目の骨折
5年総額1億4500万ドル(約193億円)という巨額の契約を結んでから、3年で11試合に投げ5勝を挙げただけという左腕が、今季開幕前に地元メディアに残した“ざんげ”の言葉。レッドソックスのクリス・セール投手は9日(日本時間10日)に右手首の骨折と、手術が成功したと発表された。これが実に今季3度目の骨折という不運ぶりだ。
さかのぼると、セールは2020年に左ひじのトミー・ジョン手術を受けシーズン全休。昨季も9試合に投げ5勝に終わった。今季は春のキャンプ中に右肋骨を疲労骨折し、7月12日(同13日)のレイズ戦でようやく復帰。ただ次の17日(同18日)のヤンキース戦で、打球を左手薬指に当てて骨折。復帰時期が未定となっていた中でさらに自転車事故で右手首を骨折した。
レッドソックスの地元メディア「NBCスポーツ・ボストン」は、今年3月の取材でセールが「僕の活躍不足を、より多くのチームメートたちが補ってくれている。そして僕は、大金をもらいながら何もできていない。最悪だよ」と話していたことを明かしている。さらに「もし彼が(レッドソックスと契約を結んだ)当事者としての責任を果たしていないと思っているなら、契約破棄という方法がある」として、期待に応えられていない左腕の現状に一石を投じている。セールは今季終了後に、選手側から契約破棄する権利を持つ。
一方で「私がもしセールの立場なら、間違いなく契約破棄はしない」とも。その理由として、セールはキャリアの前半をかなりの低賃金でプレーしていたと指摘している。ただ「それでも、彼は契約について間違いなく本気で(金額に見合った活躍ができていないと)語っている印象だ。そしてレッドソックスは彼に大金を払っておきながら、セールは何もできていないというのは正論だ。(活躍できていないのは)今年だけでなく、ここ3年の話だ」と手厳しい。
また米紙「プロビデンスジャーナル」は、2019年開幕前のセールとの契約延長が「レッドソックスの前編成本部長のデーブ・ドンブロウスキーによるひどい見当違いだった」と指摘。さらに「その5年1億4500万ドル契約は、その年(2019年)の9月に起きた彼の解任につながった可能性が高い」と報じている。
(Full-Count編集部)