広島大瀬良、“ヤクルトキラー”の本領発揮で通算8勝無敗 完投は「たまには」
3年ぶりの完投で今季4勝目「ストライク先行でいけた」
広島の“ヤクルトキラー”大瀬良大地投手が本領を発揮して3年ぶりの完投で今季4勝目を挙げた。
「子供の日」の5日、神宮のヤクルト戦に今季6試合目の先発。9回123球を投げ、7安打で8三振を奪い1失点に抑えた。味方打線が初回に鈴木の左前打で早々に先制点。その裏、2死から青木に死球を与え、場内を騒然とさせたが、持ち味のカットボールを要所に決め、ストレートの精度も高かった。
5回にスライダーが高めに浮き、山田に9号ソロを浴びて1点を失ったが、その他はほぼ完璧な投球。「疲れはあったが、一人一人の意識で投げた。ストライク先行でいけた。(ストライク)ゾーンの中で、強いボールで勝負した」と大瀬良。2014年のプロデビューからヤクルト戦には負けなしで、これで8連勝。広島では、同一カード8連勝は1997年から2002年にかけて、阪神相手に8連勝を飾った黒田博樹以来の記録となった。
お立ち台で、そのことを聞かれた大瀬良は「知りませんでした」と驚いていたが、無心で投げた結果だ。5回の山田のソロ弾については「抜けて肩口から(甘く)入ってしまったが(完封の)欲はなく、打たれた後もしっかり抑えられた」という。8回には1死一塁でバレンティンに直球勝負を挑み、内角高め144キロで空振り三振を奪う場面もあった。
完投はちょうど3年前のゴールデンウィーク、2015年5月4日の巨人戦以来。「なかなか出来ることではない。中継ぎの人に迷惑をかけてきたのでたまには」と大瀬良は満足そうにうなずいていた。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)