「産みの苦しみ」がドラマを生む――2000本安打達成者たちの言葉
阪神・金本監督は王手から18打席無安打「ちょっと、じらし過ぎましたかね」
5月4日までに通算安打数を1999本としたソフトバンク内川聖一は、5日に行われたヤフオクドームでのオリックス戦に「4番・一塁」で先発。第1打席は二ゴロに倒れたが、第2打席に右前打を放ち、1999安打とした。
内川は5月2日のロッテ戦で2安打して「あと2本」としたが、以後、一直、二ゴロ、投ゴロ、三振、三振、二ゴロ、遊ゴロ、遊ゴロ、二ゴロと9打席凡退。打球は外野にも飛ばなかった。まさに「産みの苦しみ」。過去の大打者、安打製造機たちも、2000本安打に際しては、ずいぶん苦しんでいる。
「あと1本」まで迫ってから、18打席安打が出なかったのが現阪神監督の金本知憲だ。2008年4月6日の巨人戦で安打を打ってから4試合にわたって安打が出なかった。この間、打率は.407から.289に急降下している。4月12日に横浜スタジアムでの横浜戦、7回表に寺原隼人から右前打を放ち、ようやく長いトンネルを抜けた。
試合後のインタビューでは「ちょっと、じらし過ぎましたかね、はい。すみません。僕は意外と長く感じなかったんですけれど、1日も早くという気持ちはすごいあったんですけれど(新井貴浩の1000本安打達成と同じ試合になって)。キモイっすね」と冗談を交えて語っている。
小久保裕紀は、1999安打目を2012年5月23日に広島との交流戦で記録したが、翌日から故障のため試合を欠場。1か月ぶりに出場した6月24日のヤフードームでの日本ハム戦で、4回裏にウルフから中前打して達成。「(ファンには)“待たせすぎやろ”と言われるくらい待たせてしまいました。福岡で決められたことが何よりもうれしい。歓声のあまりのすごさにウルウルきました」と話した。