どん底1年目からの覚醒 DeNA20年ドラ1入江大生を蘇らせた恩人との“約束”
即戦力期待も…1年目の昨季は4戦全敗、防御率7.85で右肘手術も経験
2位を走るDeNAで、2年目の入江大生投手が覚醒の予感を漂わせている。2020年ドラフト1位も、即戦力として期待されたルーキーイヤーは4戦0勝4敗、防御率7.85で手術を経験とどん底を味わった。中継ぎに転向した今季、プロ初勝利をマークするなど開幕から1軍に帯同し続け41試合に登板(29日現在)。自らをプロの世界に導いてくれた担当の八馬幹典スカウトとの“約束”も2年越しで実現した。
5月5日の中日戦(横浜スタジアム)、入江は2回無失点の好リリーフでプロ初勝利をつかんだ。初めてのお立ち台でウイニングボールの行き先を聞かれると、八馬スカウトに渡すことを明かした。
それから2か月以上が経った暑い夏の日。新型コロナウイルスの影響でなかなか会うことができなかった八馬スカウトと再会。ついに、ロッカーに大事にしまっていた記念球を手渡しすることに成功した。
「なかなか勝てなかったんで。ようやく渡せたな、もう、やっと渡せたなって思いました」
強い言葉に喜びがにじむ。それもそのはず。「自信を持って獲っていただいて、1年間なかなか結果を出せずにいて」と振り返るように、苦しい1年目だった。開幕ローテーション入りを果たすも4戦全敗。8月には右肘のクリーニング手術を受けた。即戦力となるべき“大卒ドラ1”がスポットライトを浴びることはなかった。