危機にひんした「辻監督と愉快な仲間たち」　覚悟決めた指揮官「俺1人でやろうかな」

主要メンバー山田2軍落ち、“代役”19歳滝澤には荷が重かったか…

　パ・リーグ首位・西武の“人気コンテンツ”が危機にひんしている。今季、本拠地ベルーナドームでは、試合開始直前にスタメン1人1人がビジョンに映し出され紹介されるのだが、トリを飾るのがベンチの辻発彦監督。いつしか、この時に山田遥楓内野手らが故意に映り込み、ちょっとした一発芸を繰り広げるようになった。ファンの間で「辻監督と愉快な仲間たち」と呼ばれるようになり、「パーソル パ・リーグTV」公式YouTubeなどでも人気を博している。

「辻監督と愉快な仲間たち」は日替わりで、帽子を取って観客に一礼する辻監督の隣で選手たちが、「発彦」と大書された応援タオルを広げる、エアバイクをこぐ、ベンチの屋根の縁につかまって懸垂する、「辻監督、ワイルドユニホームがお似合いです」と書いたボードを掲げる──などバラエティーに富んだパフォーマンスを披露してきた。

　ところが、“主要メンバー”の山田が8月30日に再調整のため2軍落ち。同日の日本ハム戦前は、代わりに1軍に昇格した高卒ルーキーの滝澤夏央内野手が、辻監督の背後からひょこり顔を出すパフォーマンスを演じたが、翌31日の同カードではその滝澤が出演を“固辞”。久しぶりに辻監督が1人で一礼する映像となった。プロ8年目の中堅で辻監督と同郷（佐賀県出身）の山田ならともかく、19歳の滝澤には荷が重かったのかもしれない。

　たかが一発芸、されど一発芸。辻監督が「周りに聞くと、みんな凄く楽しみにしていると言うから、事前にあいつらからどんなことをやるのか聞いて、こっちからダメ出しをすることもある」と明かしているほどだ。ファンの間からは「辻監督って厳格なイメージだったけれど、こんなに気さくな人だったとは」と見直す声も上がっている。

「俺1人でやろうかな？　何か考えないといけない」と覚悟を決めた？　様子の辻監督。“仲間たち”の行方はいかに……。

（宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki）