山本由伸とタイトル争う日本ハム左腕 与四球は驚異の7、規定到達なら新記録の可能性
122回2/3イニングを投げて与四球は7、歴代最少は1950年の野口二郎の14
ペナントレースも終盤に差し掛かり、パ・リーグでは優勝争いが三つ巴の大混戦となっている。そんな中、個人タイトル争いも熾烈を極めている。最優秀防御率争いでは、オリックスの山本由伸投手が防御率1.82で首位を快走しているが、規定投球回に届けば面白い存在になりそうなのが日本ハムの加藤貴之投手だ。防御率で山本を上回る可能性があるだけではなく、四球の少なさでいくつかの記録更新の可能性もある。
加藤は19試合に登板(18先発)して6勝6敗、防御率2.05と日本ハムの左のエースと言っても申し分ない成績を残している。ここまで122回2/3イニングを投げて規定投球回までは20回1/3。あと4回の先発登板を見込めることから5回以上をしっかりと投げれば届く計算だ。ここからは登板のたびに規定投球回を上回って各ランキングに登場するが、次の登板までに再び消えるという状況を繰り返しそうだ。
今後の投球内容次第では防御率ランキングのてっぺんにいきなり現れる可能性も秘める。そんな加藤のピッチングで特に注目を集めているのが“四球の少なさ”だ。4月19日の楽天戦(楽天生命パーク)では、100球未満での完封、いわゆる「マダックス」をわずか90球で達成するなど、122回2/3イニングを投げて与四球はたった7。規定投球回に到達した投手で歴代最少は1950年の野口二郎(阪急)の14と、記録更新を狙えそうだ。
さらにBB/9(9イニングあたりの与四球)やK/BB(奪三振÷与四球)で見ても、野口や2009年のコルビー・ルイス(広島)らを上回って歴代最高の数値を叩きだしそうだ。残り少ないペナントレース。直球の平均球速は130キロ台ながら、自慢のコントロールで球界のエースと渡り合う男に注目だ。
(Full-Count編集部)