高校侍ジャパンが見せた“粋な所作”に敵将称賛 何気ない行動は「素晴らしい考え」
大阪桐蔭・松尾が打席に入るときに見せた“礼”をイタリア指揮官が賛辞
日の丸を背負った高校生たちが、プレー以外でも対戦国の視線を集めた。9日(日本時間10日)に米フロリダ州・ブラデントンで開幕した「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」。オープニングラウンド初戦で侍ジャパンと対戦したイタリアのフランチェスコ・アルフィー監督は、日本選手たちの何気ない行動を「素晴らしい考え方だ」と称賛した。
侍ジャパン打線は2回までに6点を奪い、守っても3投手の完封リレーでイタリアを圧倒。アルフィー監督は試合後の会見で「いいチームで安定感があった」と白旗を振った。
敵将は、侍戦士たちのプレー以外にも注目。3番・松尾汐恩捕手(大阪桐蔭)が、打席に入る際にイタリアの捕手と審判に会釈したシーンだ。ヘルメットに手をやり、丁寧にお辞儀。指揮官も「素晴らしいフィロソフィー。我々はやらないが、素晴らしい考え方だ」と頷いた。
松尾は「世界に日本の野球を伝えて、参考にしてくれたら嬉しい」と話す。試合後には、イタリア選手とグータッチをする場面も。「何言っているかわからなかった」と笑わせたが、「コミュニケーションを取りながら、相手チームのいいところを学んでいきたい」と貪欲な姿勢も見せた。日本にとっては当たり前かもしれないが、相手への敬意があるからこその行動だった。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)