西武が異色の入団テスト 論文や“数値”にこだわる試験に約100人が応募
秋元育成ディレクター「目に見えない部分の能力を測りたい」
西武が8日、埼玉・所沢市内の球団施設で異色の入団テストを実施した。インボディーを用いた体組成や、視覚反応の測定、論文試験など、通常の入団テストではあまり行われていない方法を採用。秋元宏作ファーム・育成グループディレクターは「目に見えない部分の能力を測りたい」と意図を語った。
入団テストは西武にとっても初の取り組み。数値にこだわり、“一芸に秀でた選手”の獲得を目指した。高校、大学、社会人、独立リーグに所属する約100人が応募。プレー動画や自己アピールの“論文試験”などから1次選考を通過した26人が入団テストに参加した。
朝7時過ぎから行われたテストは、視神経反応、判断力から始まった。専門家の協力のもと、選手たちはパソコンに向き合い、記号の色や、形に応じたキーボードを素早く押す訓練を行った。ワットバイクやメディシンボールの垂直スローなどで筋力を測定。また10メートル走、20メートル走など短距離でいかに瞬発力を出せるかを測った。
午後からはベルーナドームに移動し、シート打撃や遠投などを行った。選手たちはこの日初めてバットやグラブを持ったが、ここでも数値にこだわり、トラックマンで回転数やスイングスピードを計測した。
秋元氏は「今後は色々なところで数値を強化して、テストで始まりましたけど、同じように(現役の)選手たちにもやっていきたい」と今後の展望も語る。すでに2軍の選手には数値の測定も実施しており、この日の受験者の成績は今後、現役選手と比較し、検討されていくという。今年度のドラフト会議は20日。テスト生の入団はあるのかにも注目だ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)