ホークスに死角なし!? 交流戦で見せた強さは今後も続くのか
チーム打率、得点、本塁打はすべて12球団1位、飛び抜けていた柳田の打撃
ソフトバンクが2013年以来、2年ぶりに交流戦の頂点に立った。12勝6敗の貯金6。16日、雨天中止となっていた阪神戦(甲子園)で日本ハムが敗れたことでトップに。今季からレギュレーションが変わり、優勝ではなく、最高勝率チーム。パ・リーグも勝ち越したことで、賞金合計1500万円を獲得した。
ソフトバンクが交流戦を制するのは12球団最多の5度目。08年、09年の連覇以降、11年、13年、そして15年で優勝。隔年で12球団のトップに立つ「V神話」は今年も続いた。
「最高勝率ということで、大変嬉しく思います。勝ち越しペースで交流戦を戦えたということは、セ・リーグ相手にも、ホークスの普段通りの野球が通用したということ。選手は、自分たちの野球に自信を持っていいと思います。若手選手もレギュラー組も、みんな、持てる力を出し切ってくれて、いい競争がチーム内にあったし、雰囲気も良かった」
最高勝率チームに決まった直後、工藤公康監督は球団を通じてこうコメントした。6カード中5カードに勝ち越し、セ・リーグ首位の巨人には敵地・東京ドームで球団史上初となる3タテを食らわせた。
ソフトバンクの強さの要因はどこにあったのだろうか。
とにかく、よく打った。普段対戦のないセ・リーグの投手相手にも、変わらず破壊力を発揮した強力打線が勝因の1つである。2桁安打だったのは18試合中11試合。チーム打率.287、90得点、23本塁打はすべて12球団1位の数字である。
これを工藤監督は「普段通り」だという。普段対戦するパ球団と違い、セの投手はデータの量も、対戦の経験値も乏しい。投手有利の状況の中で、普段通りの野球が出来る。たとえ初見であっても、来たボールを打ち返せるというのは、ソフトバンクの打者の能力が高いことに他ならないだろう。
中でも、飛び抜けていたのは3番に座った柳田悠岐。間違いなく、MVPの最有力候補だ。打率.429は、西武・秋山翔吾の.432に次ぐ2位。5本塁打10打点13得点も好成績だが、何よりも素晴らしいのは、規定打席到達者の中で唯一、5割を超える.544をマークした出塁率だ。