人類最速左腕の直球は「普通みたいなもん」 衰え止まらぬチャップマンが“平凡化”
今季の平均球速は約157キロ…5月以来セーブ挙げていない現状
ヤンキースの守護神に君臨してきた“人類最速左腕”アロルディス・チャップマン投手が、苦境に直面している。今季はここまで39試合に登板し、3勝3敗9セーブ、防御率4.36。5月以来セーブを挙げておらず、かつての居場所は遠い。米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」では「2022年のMLBで最も巻き返しに失敗した選手たち」に選出。成績下降の要因を挙げている。
昨季は61試合に登板して6勝4敗、防御率3.36。球宴に選出されたものの、粘着物質の取り締まりが試合中に行われるようになった時期から不調に陥ったと同メディアは指摘。シーズン後半の38登板は防御率5.40だったと取り上げる。
34歳となった今季はアキレス腱痛などで負傷者リスト(IL)入り。衰えは、自らの生命線にも如実に現れているという。ピーク時に100.4マイル(約161.6キロ)だった平均球速は、今季97.9マイル(約157.6キロ)まで低下している。
人類最速左腕の称号はいまだ堅持しているが、徐々に“平凡化”しているのは否めない。平均的なリリーバーとの球速差は、2014年に最大7.8マイル(約12.6キロ)もあったが、2017年から狭まり続け、今季は3.8マイル(約6.1キロ)。2019年に首位打者に輝いたホワイトソックスのティム・アンダーソンもかつて「最近ではみんな99マイル(約159.3キロ)投げる。だから(チャップマンの速球は)普通みたいなもんさ」と語っていた。
絶対正義のスピードボールを維持できなくなった今、ニューヨークではヤンキースがDFAを検討しているという報道も。ここから鮮やかに復活できるのか、チャップマンは岐路に立たされている。
(Full-Count編集部)