8回2死までノーノー 大谷翔平の15勝目を呼んだ“恩師の教え”「ゴミは人が落とした運」
「調子自体はそこまで…」8回2安打無失点を呼んだモノとは
■エンゼルス 4ー2 アスレチックス(日本時間30日・アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、本拠地・アスレチックス戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場し、今季15勝目を挙げた。8回2死から初安打を許して自身初のノーヒットノーランはお預けとなったが、自己最長タイ8回を投げて10奪三振2安打無失点と好投。打っては初回に中前適時打を放ち、4打数2安打1打点。投打で躍動し、チームの快勝に貢献した。
ネビン監督代行が「これまで見た中で最も圧倒的だった」と笑顔で振り返った8回途中ノーノー。圧倒的な投球の裏には恩師の教えがあった。試合前。キャッチボールからブルペンへ向かう途中、外野のアンツーカー付近に“白いゴミ”が落ちていた。
「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。そして自分自身にツキを呼ぶ。そういう発想に変えなさい」
花巻東高・佐々木洋監督から叩き込まれてきたゴミ拾いの教え。本拠地最終登板前でピリピリしていただろうに、28歳の二刀流は迷うことなくサッと拾い上げ、“相棒”の水原一平通訳に手渡した。
高校時代に作成した目標達成シートの「運」の項目に「ゴミ拾い」を挙げ、昨夏のオールスター戦でも実践。球宴初登板初勝利を飾った。この日は初回先頭打者を四球で出す最悪の立ち上がり。「正直、出来はあまり良くなかった。調子自体はそこまでだった」。決して本調子ではなかったが、初回をゲッツーで切り抜け、直後の攻撃で自身のタイムリーなどで2点を先制。試合前のゴミ拾いが“勝ち運”を運んだのかもしれない。
メジャー初の規定投球回(162回)に、あと1イニングに迫った。次回登板は10月5日(同6日)に敵地で行われるアスレチックスとの今季最終戦が予定されている。「もう1試合切り替えて、また調整して頑張りたいなと思います」。目覚ましい進化を見せる投手・大谷も残り1試合。最後の最後まで楽しめそうだ。