メジャー投手陣の契約はマー君次第?
カブスのエースが田中が及ぼす影響に言及
メジャー各球団と交渉中の楽天の田中将大投手の獲得を目指しているカブスのジェフ・サマージャ投手が、ストーブリーグに対して田中の去就がもたらしている影響について言及している。シカゴ・サンタイムズ紙で語ったもの。
「確かに(メジャーで)多くの人々が田中について話をしており、様々なことが動いている。その波紋のような影響は存在する」
カブスのエースはこう語った。サマージャが受けている波紋とは、自身がカブスと交渉中である契約延長に関するものだった。
カブスは昨年66勝96敗でナ・リーグ中地区最下位。サマージャは常々、短期間でプレーオフ進出を果たせるような戦力増強に対するチームの前向きな姿勢を求めることを、契約延長交渉における優先順位としていた。そして、田中加入が可能となるなら、間違いなくチーム力はアップする。
テオ・エプスタイン球団社長は「私はサマージャの大ファン。まだまだ彼には伸びしろがあると信じている。開幕日には我々のチームにいるものと信じている」と語っている。2015年シーズン後にもFAとなってしまうサマージャに、チームは5年5500万ドルの契約延長を提示しているという。
田中が加入した場合、サマージャは条件アップと契約延長ですんなり合意するのかもしれない。だが、田中争奪戦にカブスが敗れた場合は、その交渉がこじれる可能性もある。サマージャが契約更新に応じなければ、高値でトレードに出されることもあり得るだろう。夏のトレード期限まで値段をつり上げるようなことも起こる可能性もある。昨年末にはブルージェイズが若手の有望株複数選手を放出し、サマージャをトレードで獲得しようと動いた経緯もあった。
「私のフラストレーションを『この(チームが勝てない)現状』という言葉で表現したけれど、もしも彼(田中)が加入するならその現状は激変するだろう」
契約の交渉が滞っているのは、チーム力アップに向けて田中の加入を心待ちにするサマージャだけではない。新たなポスティング制度導入が決まる以前から、ストーブリーグにおけるピッチャーの動きはゆっくりとしたものだった。
ピッチャー陣の補強が必要な球団にとってみれば、先発ローテーションの上位に位置するであろう即戦力の田中の動向をにらむのは当然と言える。田中の新天地が決まれば、田中争奪戦に敗れた球団は玉突きのように補強を進めていくことになるのだろう。田中の動向が他のピッチャー陣の契約交渉に影響をもたらしている状況を見れば、今年のマーケットにおける田中株はどこまでも高いということが分かる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count