“カネで勝利買う”生まれた皮肉 336億円の金満メッツ終戦の裏で…節約球団が躍進

巨大戦力を有しながらもWCシリーズで敗退したメッツ【写真:Getty Images】
巨大戦力を有しながらもWCシリーズで敗退したメッツ【写真:Getty Images】

WCシリーズでパドレスに敗れたメッツ…一方ガーディアンズは地区S進出

 メッツは今季、圧倒的な資金力を背景に序盤は強さを見せながら、終盤にかけて思わぬ大失速に直面した。パドレスとのワイルドカード(WC)シリーズに敗れて終戦。MLBトップの年俸総額2億3106万ドル(約336億5100万円)の“金満球団”が苦杯を嘗めた一方で、その4分の1程度の金額にとどまるガーディアンズは鮮やかに地区シリーズに進出した。対照的な結果が、今季のメジャーを象徴するひとつとなっている。

 MLB各球団のオーナーの中でも屈指の資産を誇ると言われるスティーブ・コーエン氏が作り上げたチームは当初、費用に見合った活躍をしているかと思われた。開幕から地区1位を走り、5月時点では2位に最大10.5ゲーム差をつける独走状態に。しかし、6月から雲行きが怪しくなると、シーズン最終盤にブレーブスにまくられた。

 プレーオフでも“高給取り”たちが相次いで誤算。年俸4333万ドル(約63億1000万円)のマックス・シャーザーは初戦に先発して4被弾で5回途中ノックアウト。年俸3200万ドル(約46億6000万円)のフランシスコ・リンドーアはシリーズで計10打数2安打、1本塁打、1打点。年俸1450万ドル(約21億1100万円)のスターリン・マルテも12打数2安打、0本塁打、0打点に終わった。

 カネでどんな勝利も買えるわけではない――。その事実をさらに際立たせたのが、ガーディアンズの奮闘だった。レイズとの(WC)シリーズでは2-1、1-0と僅差を試合をいずれも制して2連勝。チームの年棒総額はMLB28位の5650万ドル(約82億3000万円)と潤沢な資金はないにもかかわらず、選手たちが躍動した。

 5年総額1億3750万ドル(約200億円)のジェイコブ・デグロムの流出もささやかれるメッツは、来季さらなる補強に出るのか否か――。“カネと勝利”の関係にも注目が集まる。

(Full-Count編集部)

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