松井秀喜氏が語った古巣・巨人への思い コーチ刷新の目玉、デーブ大久保氏は「天才」
巨人時代の先輩の新打撃コーチ・大久保氏とは1993~1995年に一緒にプレー
巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜氏が15日、母校・星稜高校創立60周年記念同窓会のトークイベント「星稜から世界へ」に出席。星稜時代、巨人、そしてメジャー、と自身の半生を振り返った。イベント終了後、報道陣に対応した松井氏は、Bクラスからの巻き返しを図る巨人についても言及。1軍打撃チーフコーチ就任が決まった大久保博元氏についての印象を問われると「天才的なバッターでしたね」と敬意を表した。
引退後に臨時コーチを務めるなど、古巣を応援している松井氏は今季、Aクラス入りを逃したことに「僕は細かいことはわからないですから。1人のOBではありますが、巨人が勝ち、たくさんの人から応援されるチームであってほしいと思います」と懸命にシーズンを戦ったチームを配慮し、多くを語ることはなかった。
来季へ向け、巨人はコーチ20人の“大幅刷新”を断行した。その目玉のひとつとなるのが、西武で打撃コーチや、楽天で監督を務めた大久保氏だ。松井氏は現役時代に大久保氏と1993~95年にプレー。「打撃に関しては、天才的なバッターだと思っています」と印象を語った。
思い出されるのが1994年の西武との日本シリーズ第4戦。1点差の9回2死、高めのボール球を振り抜いてスタンドに運んだ代打同点弾は巨人ファンの脳裏に刻まれているだろう。目の前でも見ている松井氏は「どういうボールでもタイミングを合わせてしまう」となかなか類を見ないタイプの打者だという。この「天才的」な部分をどのような言葉で選手に伝えていくのか――。指導経験も豊富なだけに「いい形でジャンアンツの選手を育てていただければいいですね」と期待感を口にした。
また、長嶋茂雄巨人終身名誉監督の近況について問われると「(連絡の)やりとりはしていますよ。元気です。私の中ではお元気です」と様子を伝えていた。ヤンキース移籍後も常に古巣・巨人のことやミスターのことを心掛けていたが、その姿勢は変わらない。
トークイベントでは2000年に日本一になり、銀座パレードをした時の写真などがスライドで紹介され、「本当に多くのファンから支えられていたんだなと実感しました」と当時を懐かしんだ。古巣・巨人が白星を重ね、多くのファンから今年以上に愛される、応援されるチームになることを願っていた。
(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)