元エ軍マーシュ感慨「こんな瞬間なかった」 “打力向上”で下克上フィリーズの主役に
ブレーブス戦で3ラン、先発シンダーガードと“元エ軍組”躍動
フィリーズは15日(日本時間16日)、ブレーブスとの地区シリーズに8-3で勝利し、リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。エンゼルスから今季途中にトレードで加入したブランドン・マーシュ外野手が、1本塁打を含む4打数2安打3打点。米メディア「NBCスポーツ」は「マーシュの特別な瞬間がフィリーズの進出を助ける」との見出しで活躍を称えた。
「9番・中堅」で先発出場し、2回1死一、三塁から右越え3ランを放ったマーシュは4万5660人のファンを熱狂に包んだ。「特別な瞬間だった。キャリアを通してこんな瞬間はこれまでなかったと思う。だから大事にするよ。観客の方を見上げるといい気分だった」とコメントした。
フィリーズはワイルドカード(WC)シリーズ、地区シリーズと下克上を果たした。ハーパーは「誰がこんなこと考えただろう? オールスター休暇の頃に、私たちがブランドン・マーシュを獲得し、プレーオフで3ランを打つなんて。信じられないよ。素晴らしいね」という。同メディアも、フィリーズがプレーオフに出ること、複数のラウンドを勝ち進むこと、前年度の覇者を退けること、中堅手が進出を決める試合で最大のヒットを打って台頭することを「これら全て、数か月前には信じるのがとても難しいことだった」と述べた。
2012年から昨年まで10年間、フィリーズはプレーオフ進出を逃し続けていた。さらにその間、中堅手を固定することができず、今季も“穴”とされていた。トレード期限で獲得した24歳のマーシュは、平均以上の守備力を持った選手としての地位を確立していたが、打力はそこまでだった。しかし編成本部長のデーブ・ドンブロウスキーは、トレード後にマーシュが打撃でも開花する可能性を予言していた。マーシュはフィリーズ移籍後、138打席で打率.288、OPS.773。プレーオフ初戦となったカージナルス戦では9回に6得点の口火となる適時打を放つなど勝負強さも見せている。
こちらも元エンゼルスのノア・シンダーガード投手も15日(同16日)に先発し3回1安打1失点3三振。「マーシュのこと、私も興奮しているよ。一緒にここに来て、優勝争いの中でプレーすることにワクワクしていた。私はFAになるけど、彼はしばらくここにいる。フィラデルフィアは彼にワクワクするに違いないよ」と喜んだ。
長髪と髭がトレードマークで、大谷翔平投手とプライベートでも仲が良かったことで知られるマーシュは日本のファンからも馴染みが深い。「良かったな、マーシュたん」「マーシュが活躍してくれて嬉しい…」「大好きなマーシュが活躍しててうれしすぎる」「シンダーガード登板の日にHRていうのもまた泣ける」と喜びの声が上がった。