積極補強も結末は壮絶V逸…鷹、投打の大物助っ人は壊滅 年俸3.5億円の右腕は7月退団
メジャー通算52勝のチャトウッドは、1軍登板なしで7月14日に退団した
ソフトバンクは今季、新たに藤本博史監督を迎え、2年ぶりの優勝までマジック1と迫りながら涙をのんだ。日本一に輝いたオリックスと同じ76勝64敗2分ながら、直接対決の勝敗(10勝15敗)で届かなかった。昨オフには、ニック・マルティネス投手らが抜けた穴を埋めるべく、メジャーから投打の大物助っ人を補強。FA市場でもブルペンを強化するなど積極的に動いたが、あと1勝を積み上げることはできなかった。
投手では、メジャー通算52勝のタイラー・チャトウッド投手を推定年俸3億5000万円の破格の待遇で迎え入れた。しかし蓋を開けてみると、150キロ台中盤という触れ込みだった直球の球速は140キロ台中盤止まり。5月に右肩関節炎と診断されると、右肩関節鏡視下関節唇形成術を受けた。1軍登板もないまま今季絶望となり、単年契約だったことから7月14日には退団が発表された。
2021年途中に退団しながら、半年ぶりに復帰するという珍しいケースとなったコリン・レイ投手は、先発も中継ぎもこなしながら23試合に登板。5勝6敗、防御率3.96とまずまずだったが、マルティネスの穴を埋めるほどのインパクトは残せなかった。中日から国内FA権を行使して加入した又吉克樹投手は、31試合に登板して、3勝3敗14ホールド、防御率2.10と実力を見せたが、7月にベースカバーで右足を骨折して無念の離脱となった。
さらにシーズン途中の7月には独立リーグ・日本海オセアンリーグの福井から元日本ハムの秋吉亮投手が加入したが、2試合の登板にとどまって戦力外となった。一方で、四国アイランドリーグplusの高知から育成として獲得した藤井皓哉投手は掘り出しものになった。2020年限りで広島を戦力外になったとは思えない投球で、55試合に登板して5勝1敗、3セーブ22ホールド、防御率1.12の好成績を残した。
野手でも、大物助っ人のフレディ・ガルビス内野手がうまく機能しなかった。メジャー通算1102試合に出場して109本塁打という実績は、歴代でも最強クラスだったが、もっとも輝いたのは開幕戦という結果となった。来日初アーチが逆転満塁弾という最高のスタートを切ったにも関わらず、終わってみれば38試合で2本塁打、11打点、打率.171、OPS.528。シーズンの大半を2軍で過ごした。
(Full-Count編集部)