近藤健介が“最も必要なパ球団”は? 「2つの弱点」埋めてくれる救世主になる可能性
西武やソフトバンクが積極姿勢、データで補強ポイントを検証
日本野球機構(NPB)は10日、2022年度のフリーエージェント(FA)宣言選手を公示。8選手が宣言したが、その中で注目の1人に挙げられているのが日本ハム・近藤健介外野手だ。今季は故障で規定打席に到達できず、99試合で打率.320、8本塁打、41打点の成績でも、獲得を狙う球団は多いとされる。データで各球団のウィークポイントを探りながら、“最も必要とする球団”はどこか、検証したい。
セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照すると、より浮き彫りになる。近藤の最大の魅力は出塁率の高さといえる。2019、2020年に2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得するなど6年連続4割以上の出塁率を誇る。今季、350打席以上の選手ではオリックスの吉田正尚の.447に次ぐ、リーグ2番目の数字となっている。
その他、近藤と同じ外野手で見ると、日本ハムの松本剛が3番目で.398。ロッテの荻野貴司がリーグ5番目の.375、楽天の島内宏明が6番目の.373が高水準の出塁率を残している。
そのほかの球団でトップの選手を見ると、ソフトバンクでは柳町達が外野手全体の8番目(.357)に来るが、西武は28番目に現れるオグレディの.312が最高。今季限りで助っ人との契約は切れており、来季ライオンズの外野に残る選手では、34番目に来る愛斗が.266でトップの出塁率と苦しい(金子や栗山らは350打席に未到達)。レギュラーで“出塁率の高い外野手”を最も欲しいのは西武だろう。
打撃による得点貢献を表す「wRAA(weighted Runs Above Average)」を見てみよう。この数値はリーグの平均的な打者が同じ打席数を打つ場合に比べ、どれだけチームの得点を増減させたかを数値化した指標となっている。近藤が主に守ることになるであろう左翼のポジション別に見ると、ロッテが19.7でトップ、2位が15.6のオリックス。ロッテは荻野や高部の存在が大きく、オリックスは吉田正の貢献度が高い。3位は近藤のいる日本ハムで14.8。4位は楽天の14.1。そして5位はソフトバンクの7.8で、最下位は西武の-1.0という数字になる。西武はオグレディが最も多く左翼を守っている(748回1/3)とあり、こちらの側面でも後釜の必要性が感じられる。(回はイニング数)。