「まだ実感沸いていません」 楽天へトレード移籍の阿部「本当に突然だったので…」
入団会見で心境語る、明大同期の島内からは「よろしく~」
涌井秀章投手とのトレードで中日から楽天に移籍した阿部寿樹内野手が22日、楽天生命パーク宮城で入団会見を行った。チームにとっては待望の右の強打者で、内・外野を守れるユーティリティープレーヤー。2013年以来10年ぶりのリーグ優勝&日本一へ向け、重要なピースが加わった。
「(トレード通告は)本当に突然だったので、驚き、バタバタして、まだ実感が沸いていません。プロ野球なので『わかりました』と言いました。(中日には)7年間お世話になったので、寂しい気持ちがありますが、切り替えてやっていきたい」と複雑な胸の内もうかがわせつつ、「楽天は、交流戦で試合していていても素晴らしい選手が多く、敵から見るとやりにくかった」と印象を口にした。
今季、中日で133試合出場、打率.270、9本塁打57打点。本塁打と打点はビシエドに次いでチーム2位だった。二塁手で72試合、三塁手で54試合、左翼手で7試合にスタメン出場し、試合途中から一塁へ守ったこともある万能選手だ。「いろいろなポジションを守れることが僕の長所かなと思っています。目標は試合に出ること。そのためにも、いろいろなポジションをやらないといけない。しっかり準備します」と、同席した石井一久GM兼監督にもアピールした。また、楽天は野手に右打者が極端に少ないチーム事情があり、右打ちの阿部はうってつけとも言える。
1989年12月3日生まれの32歳。岩手県出身で地元の一関一高から、明大、Hondaを経て2015年ドラフト5位で中日入りした。楽天の4番・島内宏明外野手は明大時代の同期にあたる。「島内選手は大学で一緒にやっていたが、凄い選手だなと改めて思っています。決まった時に『来年からお世話になります』と連絡を入れ、『よろしく~』と返事が来ました」と明かした。
2019年には味わいのある髭面から「マスター」の愛称が付き親しまれたが、今季は就任1年目の立浪和義監督の方針で髭を剃っていた。「いやもうなんでも、“阿部ちゃん”でも“マスター”でも、好きな呼び方をしていただければ光栄です」と楽天ファンに呼び掛けていた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)