デグロムはなぜレンジャーズを選択? 5年総額248億円で獲得できた“裏事情”

レンジャーズとの契約が正式発表されたジェイコブ・デグロム【写真:ロイター】
レンジャーズとの契約が正式発表されたジェイコブ・デグロム【写真:ロイター】

所得税がないテキサス州、エ軍などがあるカリフォルニア州は13.3%

 レンジャーズは2日(日本時間3日)、サイ・ヤング賞を2度受賞しているジェイコブ・デグロム投手を5年1億8500万ドル(約248億4800万円)で獲得したと発表した。現役最強とも謳われる34歳右腕をレンジャーズはなぜ獲得できたのか。米スポーツ局「ESPN」によると、レンジャーズの本拠地であるテキサス州に所得税がないことが決め手になったという。

 年に均せば3700万ドル(約49億7000万円)の5年契約でデグロムとの契約にこぎつけたレンジャーズ。記事では、デグロムの故障歴を紹介し、「レンジャーズは(故障歴について)見て見ぬふりをして、球団に改革をもたらす存在としてのポテンシャルに目を向けた」と獲得の意義を解説する。

 さらに契約できた要因として、全球団へのトレード拒否権が付与されていることや、テキサス州に所得税がないことを挙げた。記事によると、他球団が条件面でレンジャーズに並ぶには、年俸4000万ドル(約53億7300万円)を超える必要があったという。

 石油などの天然資源が豊富なテキサス州は税収が潤沢なため、州税に所得税がない。米確定申告サイト「ターボ・タックス」によると、米国で最も所得税が高い州はエンゼルスやドジャースなど5球団が所在するカリフォルニア州で13.3%。ハワイ州が11%、ニュージャージー州が10.75%で続いている。

 例えば、エンゼルスがレンジャーズと同じ条件を提示するには年俸4200万ドル(約56億3000万円)、総額2億1300万ドル(約285億7600万円)が必要になる。年俸で500万ドル(約6億7200万円)、総額では2800万ドル(約37億6100万円)余計にかかる。決して安い額ではない。レンジャーズは“地の利”を生かし、デグロム獲得に成功したようだ。

(Full-Count編集部)

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