現役ドラフトで広がった“穴”をどう埋める? 西武が人的補償で見せる「次の手」

西武・松井稼頭央監督【写真:荒川祐史】
西武・松井稼頭央監督【写真:荒川祐史】

平良の先発転向でリリーフ不足…剛腕サイドの松岡は流出

 第1回の「現役ドラフト」が9日行われ、12球団から1人ずつ、計12選手が新天地へ移籍することになった。今季浮かび上がった補強ポイントを的確に埋めた球団があれば、そうでない球団も。パ・リーグ3位だった西武の場合は、オフの課題と見られているブルペンを強化するどころか有望な若手が移籍し、選手層が薄くなるという結果に終わった。次の補強手段は、FAでオリックスに移籍した森友哉捕手の人的補償。ここでの選択に大きな影響を与えそうだ。

 西武のブルペンの“穴”は、突然空いた。今季の西武はリリーフ陣の防御率が12球団トップの2.31。44セーブも12球団トップという安定感を誇った。中継ぎでも水上由伸投手が4勝4敗31ホールド、防御率1.77の好成績。そして平良海馬投手は61試合で1勝3敗34ホールド、防御率1.56という安定感。初の最優秀中継ぎのタイトルも獲得した。

 その平良が、オフの契約更改で先発転向を志願。一度はサインを保留するほど強硬な姿勢を見せた。渡辺久信GMらは平良の配置転換を認め、新たな適任者を模索する姿勢を示していた。

 そんな中で迎えた現役ドラフトで、西武が指名したのは阪神の強打の内野手、陽川尚将だった。リリーフ投手を獲得しないどころか、日本ハムに右腕の松岡洸希投手を指名され、移籍することになった。松岡は1軍での実績こそ通算7試合登板と乏しいものの、今季2軍での直球平均球速が146.4キロを記録した剛腕。しかも右横手からというクセ球だ。平良の“穴”を埋めるどころか、ますます広がった状況とも言える。

 そこで見えてくるのが、森の人的補償での“穴埋め”だ。対象となるオリックスには速球派リリーフがあふれている。日本シリーズで活躍した山崎颯一郎投手や宇田川優希投手が印象的だ。人的補償の対象からプロテクトされる28選手から漏れる選手もいるだろう。過去に実績のある吉田凌投手や山田修義投手は微妙なラインとみられる。V奪還へ「次の一手」が注目される。

(Full-Count編集部)

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