戦力になったのは5%…楽天の“高卒壊滅問題” オコエも放出、育てられぬ素材型
現役ドラフトで2015年ドラフト1位のオコエを手放し、広島から正隨を獲得
楽天は9日に行われた現役ドラフトで、2015年ドラフト1位のオコエ瑠偉外野手を手放し、広島から正隨優弥外野手を獲得した。オコエは素材型の逸材として期待されていたが、レギュラー定着を待たず、ついに放出となった。楽天は2013年に松井裕樹投手を指名して以降、ドラフト指名した高卒選手を育てられていない現状がある。2014年から2021年までの8年間に指名した19人で、現在1軍戦力になっているのは1人だけだ。
さかのぼれば、2006年の高校生ドラフト1巡目で指名した田中将大投手が球界を代表する右腕に成長するなど、成功例もある。しかし2014年以降の結果を見ると、2014年のドラフト1位で指名した安樂智大投手が中継ぎとして奮闘している以外、1軍の戦力になっている選手がいない。同年2位の小野郁投手は、FAで獲得した鈴木大地内野手の人的補償として流出し、2020年に移籍したロッテで開花した。
2015年は平沢大河内野手(ロッテ)を抽選で外し、オコエを指名したが今オフ流出。4位の堀内謙伍捕手と7位の村林一輝内野手は、26歳を迎える来季が正念場となりそうだ。2016年は1位で藤平尚真投手の単独指名に成功したが、こちらも苦しんでいる。今季は8試合に登板して1434日ぶりの勝利を挙げており、覚醒のきっかけにしたい。
2017年は1位で清宮幸太郎内野手(日本ハム)と村上宗隆内野手(ヤクルト)をくじで立て続けに外し、大卒の近藤弘樹投手を指名したため、高卒は6位の西巻賢二内野手だけだった。西巻は2019年オフに戦力外となり、ロッテを経て今オフにはDeNAと育成選手として契約している。2018年の高卒は3位の引地秀一郎投手と5位の佐藤智輝投手の2人だったが、どちらも2022年からは育成選手として再契約している。
2019年以降は、これから成果が出てくるためまだ判断するのは早いだろう。2019年2位の黒川史陽内野手、2021年1位の吉野創士外野手らに大きな期待がかかっている。偶然か必然か、2022年は支配下で高卒の選手を1人も指名しない即戦力ドラフトとなった。大卒からは島内宏明外野手ら主力を育成できており、今オフには中日の阿部寿樹内野手をトレードで獲得するなど補強にも積極的。2013年以来となる優勝を目指すためには、高卒からの生え抜きスター選手の出現が待たれる。
(Full-Count編集部)