124億円は「払いすぎ」に反論 吉田正尚との“超速”大型契約の理由と舞台裏
ブルーム編成本部長「我々は(彼の調査に)相当な労力を費やしていた」
5年総額9000万ドル(約123億9000万円)でレッドソックスへの移籍が決まった吉田正尚外野手。ポスティングシステムの公示からわずか1日で契約が決まるという“超スピード決着”の背景と驚きの大型契約となった理由を、レッドソックスのハイム・ブルーム編成本部長が地元メディア「マスライブ・コム」に語っている。
オリックスからポスティングシステムを利用してメジャーリーグ挑戦を目指した吉田正。MLBが獲得可能選手としてメジャー30球団に対して公示したのは6日(日本時間7日)のことだった。翌7日(同8日)から45日間の交渉期間が始まり、レッドソックスと即日合意に達した。
衝撃的なスピード決着についてブルーム編成本部長は「マスライブ・コム」の記事内で「ゴーサインが出たらすぐ動けるように、選手の評価を(事前に)済ませておかなければならない。我々はそれができていた。(吉田に対して)沢山の関心が集まることはわかっていた」と語っている。事前に綿密なスカウティング活動を行い、吉田正の能力を把握し、獲得戦略を練っていたことを示している。
「契約プロセスがこれほど早く進むと予想していたとは言えないが、我々は(彼の調査に)相当な労力を費やしていたので不安はなかった」ともブルーム編成本部長は明かす。交渉解禁になったその日に合意に達することは想定外だったようだが、「複数の球団から直接、ヨシダを調査していると聞いた。彼は特別な打者になるという信念から、このような契約プロセスを取った」と、吉田正の力を評価し、猛アプローチをかけたようだ。
レッドソックスからの高い評価に、代理人のスコット・ボラス氏は他球団との交渉さえ行わなかったという。記事内でも「ボラス氏は、レッドソックスの関心が最初からあまりに高かったので、他の球団とのオンライン会議をキャンセルした、と話した」と伝えられており、それだけレッドソックスの“熱意”が凄かったということになる。
5年総額9000万ドル(約123億9000万円)という破格の契約条件に他球団から「払いすぎ」という批判の声も挙がっていた。しかしブルーム編成本部長は「自分たちが下す評価に自信を持つことだ。ヨシダに対して沢山の調査を行ってきたし、ここに至るまでに十分に取り組んできた自信があった。批判を恐れることは、何かをやらない理由にはならない」と胸を張る。レッドソックスは絶対の自信を持って吉田正を獲得したようだ。
(Full-Count編集部)