2年連続の戦力外で引退決意…2度のトレード、怪我との戦い 「慶三さん」波乱万丈の17年
日本ハム在籍わずか2年でヤクルトへ移籍…運命開けた新天地
楽天は川島慶三内野手の2022年シーズンでの現役引退および2軍打撃コーチ就任を発表した。2006年に日本ハムに入団してから17年間という長いプロ生活だった。内外野のあらゆるポジションを守り、左投手への絶対的な強さという一芸も。さらにはベンチの盛り上げ役としても欠かせなかった川島のここまでを振り返る。
川島は2005年の大学生・社会人ドラフト3巡目で九州国際大から日本ハムに入団。ルーキーイヤーの2006年4月2日、オリックス戦に代打でプロ初出場し、初スタメンとなった4月16日のソフトバンク戦で初安打も記録する。ただ、日本ハムへの在籍はわずか2年だった。
飛躍のきっかけとなる最初の転機は、ヤクルトへのトレード移籍だ。移籍1年目の2008年はキャリア最多となる121試合出場、プロ初アーチを含む4本塁打、さらに20盗塁とインパクトを残す。続く2009年は118試合(うち先発116試合)に出場し、109安打、12本塁打、43打点とさらに数字を伸ばした。
守るほうでも、日本ハム時代には経験していない遊撃手、三塁手、そして外野までユーティリティプレーヤーとして開花。当時、ヤクルトは名手・宮本慎也が遊撃から三塁へ転向し、後継者となる正遊撃手が課題となっていたが、川島が台頭してみせた。
ところが、その後は故障に苦しんだ。2010年と2012年はリハビリのため1軍出場なし。怪我から復帰すると、川端慎吾や森岡良介(現・ヤクルト内野守備走塁コーチ)との激しいレギュラー争いが待っていた。さらには2014年7月に、自身2度目のトレードでソフトバンクへ移籍する。