正捕手剥奪の危機…戦力整備で生まれる“余波” オリックス、元本塁打王も正念場に
2年連続最優秀バッテリー賞の若月に最大のライバルが…
リーグ3連覇、連続日本一を狙うオリックスはオフに、西武から「強打の捕手」森友哉を獲得した。主砲の吉田正尚はレッドソックスに移籍し、課題だった長打力は新助っ人の活躍次第になりそうだ。一方で、補強によって煽りを受ける現有戦力も。キャンプやオープン戦次第では、チームの勢力図が大きく変わる可能性もある。
今オフ最大の補強となったのは西武からFA移籍の森だろう。2019年に首位打者、MVPを獲得するなど、ここまで通算打率.289、102本塁打、449打点をマーク。福良淳一GMも「森選手の力が必要。守りの方でも、ウチはだいぶ苦しめられた。そういうところに期待しています」と、守備面でも大きな期待を込めている。
捕手ではもう一人。日本ハムからトレードで石川亮も獲得している。実績のある2人の捕手が加入したことで、煽りを受けるのは若月健矢だ。高校日本代表も共に経験した同級生・森の加入に「バッティングも守備も本当に素晴らしい選手。そこで譲っていたらダメだと思う。何とか食らい付いて1試合でも多く出たい」と、闘志を燃やしている。
日本一となった昨季は68試合に出場し、打率.281、14打点、4本塁打。課題だった打撃が向上し、得点圏打率も.371をマークした。エース・山本由伸の女房役として2年連続で最優秀バッテリー賞に選出されるなど、最も脂が乗った時に最強のライバルとポジションを争うことになった。
新助っ人の活躍次第で正念場を迎えるのが、2010年に33本塁打をマークして本塁打王に輝いたT-岡田。吉田正のメジャー移籍で左翼のポジションが空くことになるが、ライバルは多い。外野では杉本裕太郎、福田周平、中川圭太の主力の他に、佐野皓大、来田涼斗、池田陵真、渡部遼人ら若手がレギュラー奪取を狙っている。
一塁、DHには打力を生かすため捕手から頓宮裕真、さらに新外国人が入る見込みだ。昨季はわずか36試合の出場で打率.149、1本塁打だった“浪速の轟砲”。契約更改でも減額制限ギリギリの24%ダウンとなり、2023年シーズンは結果が求められる。