平良“志願”の影響は? 秋山“後継者”問題もついに決着か…西武に起きる地殻変動

西武のデビッド・マキノン(左)と平良海馬【写真:Getty Images、荒川祐史】
西武のデビッド・マキノン(左)と平良海馬【写真:Getty Images、荒川祐史】

マキノンが打棒を振るえば危機にさらされる男たちも

 どの球団にも補強によって煽りを受ける選手が存在するが、今オフの西武の場合、いかなる補強よりもチームに大きな影響をもたらすのが、平良海馬投手の志願の先発転向である。先発投手としての適性は未知数も、最速160キロの直球に加えて変化球も豊富な剛腕がそのまま潜在能力を発揮すれば、先発ローテ争いは一気に激化する。

 渡辺久信GMも、先発転向の平良に「やるからにはカードの頭を投げられるくらいにはなってほしい」とハードルを課す。そうなれば、先発ローテの地位が安泰なのは、2年連続開幕投手を務めた高橋光成くらい。高橋とともに“先発3本柱”と言われてきた松本航、今井達也、さらには2022年に10勝を挙げた與座海人、来日1年目に同じく10勝したディートリック・エンスはうかうかできなくなる。プロ1年目に1勝10敗と大きく負け越した隅田知一郎、同期入団で1年目3勝4敗の佐藤隼輔、高卒5年目に結果を求められる渡辺勇太朗、ベテランの平井克典らは、さらに厳しい争いを強いられる。

 平良が抜けるリリーフ陣にも、新外国人で2022年にレンジャーズで17試合登板、防御率2.18をマークしたヘスス・ティノコ、森友哉のFA移籍に伴う人的補償としてオリックスから獲得した最速157キロ右腕・張奕が加わった。平良ほど絶対的な存在とはいかないまでも、頭数は増えた印象だ。補強の煽りを受ける可能性のある2022年新人王・水上由伸、本田圭佑、森脇亮介、ボー・タカハシらのうち、誰が“勝利の方程式”入りを果たすか。

 一方、2019年限りで秋山翔吾(現広島)が退団して以降3年間、後釜の「1番・センター」の座に誰も定着できなかった外野陣。ドラフト1位で早大・蛭間拓哉、現役ドラフトで阪神から一塁、三塁、左翼、右翼をこなせる陽川尚将が加わり、いよいよ決着をつけるべき時が来た。2022年にキャリアハイの121試合出場を果たした愛斗、4年契約最終年を迎える金子侑司、抜群の身体能力を示しながら故障がちの若林楽人、毎年期待されながらプロ7年目となる鈴木将平、長谷川信哉、イースタン・リーグで本塁打王に輝いた高木渉らには、少ないチャンスをモノにする覚悟が求められる。

 また、ここ数年は外国人野手がパッとしないが、新助っ人デビッド・マキノンはどうか。打棒を振るうようなら、三塁手では40歳のシーズンを迎える中村剛也、呉念庭、指名打者を含めれば栗山巧らが、影響を受けることになる。さて、西武は平良の先発転向をプラスにして、就任1年目の松井稼頭央監督に優勝を贈ることができるだろうか。

(Full-Count編集部)

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