韓国にメジャー3人参戦も…韓国人記者が悲観する“暴力事件”の代償「一番良い投手が」
韓国MKスポーツのキム・ジェホ記者「投手陣が大きな問題だ」
3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加する韓国代表の最終メンバー30人が、韓国野球委員会(KBO)から発表された。キム・ハソン(パドレス)ら現役メジャーリーガー3選手が名を連ねたが、現地の韓国メディアはどう見ているのか。MKスポーツのキム・ジェホ記者に解説してもらった。
史上初の韓国系選手としてトミー・エドマン(カージナルス)が参戦する韓国代表。打線は元中日のイ・ジョンボム氏の息子で来オフのメジャー挑戦を目指すイ・ジョンフ(キウム)、パク・ビョンホ(KT)ら強力布陣となりそうだが、長年メジャーリーグを取材するジョホ記者が心配するのが投手陣だ。
「(元カージナルスの)キム・グァンヒョンは投げるかもしれないが、投手陣が大きな問題だ。最近2大会を勝ち上がれなかった一番の原因だ。(元レンジャーズの)ヤン・ヒョンジョンもメジャーで投げているが……。投手陣が問題かもしれないね」
本来ならエース格だったリュ・ヒョンジンは昨年6月に左肘のトミー・ジョン手術を受けた影響でロースター外。さらに韓国球界の未来を担う期待の新星にも“アクシデント”があった。「去年KBOで一番良かった投手はアン・ウジン(キウム)。彼もチームに入るはずだったが、ちょっと問題があった。(高校時代に)暴力問題を起こして、それが理由で代表チームでは投げられないんだ」
23歳右腕のアン・ウジンは昨季KBOで15勝8敗、防御率2.11、224奪三振をマーク。リーグ最多196回を投げて、最優秀防御率、最多奪三振の2冠に輝いた。その投手は今回もロースター外となっている。
韓国は侍ジャパンと同じプールB。3月10日、東京ドームで行われる1次ラウンドで対戦する。ジェホ記者は「イ・ジョンフにとってWBCは実力を見せる場になるかもしれない。いいプレーができたらメジャーにアピールできるかもしれない。彼はメジャー入りしたがっているからね。僕は彼に注目している」と目を輝かせるが、韓国代表については「全く分からない。過去2大会とも2次ラウンドに進出できなかったから。2013年と2017年だ。だから全く分からないね。今回も2次ラウンドに勝ち上がるとは言い切れない」。韓国メディアは厳しい目で見ているようだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)