巨人退団から1年…台湾代表からも消えた陽岱鋼 抗えなかった“変化の波”、今後は?

巨人時代の陽岱鋼【写真:荒川祐史】
巨人時代の陽岱鋼【写真:荒川祐史】

台湾代表候補36選手、野手に見える前回大会からの若返り

 3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加する台湾代表が13日、今月下旬のキャンプに参加する代表候補36選手を発表した。最終メンバーの30人はこの中から選ばれることになる。日本球界に在籍していたり、経験した選手も名を連ねる中、長く台湾代表の“顔”でもあった陽岱鋼外野手(元日本ハム、巨人)の名がない。世代交代の波に飲み込まれた形となっている。

 陽は日本ハムにドラフト指名された翌春、2006年のWBC台湾代表に名を連ね、2007年に台湾で行われた北京五輪予選でもプレーした。2009年は1軍定着をかけた年で、開幕前に行われたWBC代表を辞退したものの、2013年の大会では台湾・台中で行われた1次ラウンドでMVPを獲得する活躍を見せた。

 さらに東京ドームの2次ラウンドでは、日本を相手に9回2死までリードを奪ったチームの中心だった。敗戦後に台湾ナインが、マウンド付近に集まってスタンドに深々と頭を下げたことでも話題となった。2015年のプレミア12でも代表の一員としてプレーした。

 ただ、FA宣言して巨人入りした2017年のWBCでは、代表に選ばれていたものの移籍直後ということもあり辞退。これを最後に、陽の名前は代表から消えている。2021年の秋には自ら巨人を退団して、昨季は米国の独立リーグでプレー、冬の間は豪州ウインターリーグに身を投じ、ブリスベン・バンディッツでプレーしている。

 WBCのなかった6年間で台湾代表は大幅に若返り、胡金龍(元ドジャース)らメジャー挑戦組、台湾プロ野球で史上最多の310本塁打している林智勝(味全)といったメンバーが代表から消えた。今季打撃3部門で全てトップに立ち、シーズンMVPにも輝いた林立(楽天)や、王柏融(日本ハム)ら、陽よりも一つ下の世代が中心となっている。

 気になるのは陽の今後だ。福岡第一高から直接日本ハム入りしたため、台湾プロ野球でのプレーには基本的にドラフト指名を受ける必要がある。昨年は7月に行われたものの、陽の関心はそこにはないようだ。17日には35歳の誕生日を迎える。魅せるプレーはいまだ一級品のスターは、次にどこへ向かうのだろうか。

(Full-Count編集部)

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