16勝1敗でも出場できぬ不運 国民栄誉賞でも縁なし…国際大会出場阻む「タイミング」
ソフトバンクの柳田悠岐が出場辞退「100%に持っていけるのか、難しい」
ソフトバンクの柳田悠岐外野手が、3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への出場を辞退していたと明らかにした。「身も心も100%に持っていけるのか、難しい状態だったので。体がですね」と心身のコンディションを理由に挙げた。2021年の東京五輪では世界一に貢献した柳田だが、WBCには出場経験がない。そこで国際大会に“縁”のなかった選手たちを振り返ってみよう。
筆頭は松井秀喜氏(元ヤンキース)だろう。日米通算507本塁打、2013年には国民栄誉賞を受賞したレジェンドは、五輪もWBCも出場経験がない。WBCは2006年の第1回大会、2009年の第2回大会をともに辞退。圧倒的な能力がありながらも、縁には恵まれなかった。ただ、2009年には所属していたヤンキースでワールド・シリーズを制覇し、違う形での「世界一」を経験している。
現役選手なら、西武の栗山巧外野手が挙げられる。現役2位となる2086安打を放ちながらも、これまで縁がない。2008年には唯一の打撃タイトルとなる最多安打(167安打)を獲得したが、翌年の第2回WBCの日本代表には選出されなかった。またプレミア12に出場していても、WBCには経験のない選手としては中村剛也内野手(西武)、丸佳浩外野手(巨人)らが挙げられる。
2000年代前半に“負けないエース”として活躍した斉藤和巳投手(元ソフトバンク)も、国際大会への出場はなかった。2003年に20勝した翌年がアテネ五輪、2005年に16勝1敗、驚異的な勝率.941を残した翌春が第1回のWBCだったものの、右肩に不安を抱えていたこともあり引退まで縁がなかった。
日米通算203勝の黒田博樹投手(元広島)も、WBCには出場経験がない。2006年の第1回大会では日本代表に選出されていたが、直前の練習試合で右手を打球が直撃。出場辞退を余儀なくされ、代替選手としては久保田智之投手(元阪神)が選出されている。2008年からはメジャー移籍したこともあり、2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得したのがプロ入り後唯一の代表歴だ。
国際大会の出場は監督のチーム編成への意向や、選手のプレースタイル、そしてタイミングにも左右される。今回のWBCでは、大谷翔平投手をはじめオリックスの山本由伸投手、ヤクルトの村上宗隆内野手とWBC初出場の選手がずらりと並んだ。選ばれたプライドと感謝を胸に、世界一を目指してほしい。
(Full-Count編集部)