元Gマイコラス、開幕から無傷の6連勝を米特集 「素晴らしい成功の理由は?」

カージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:Getty Images】
カージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:Getty Images】

昨年まで巨人に在籍したマイコラスはここまで無傷の6連勝を記録

 日本からの逆輸入右腕がメジャーで圧巻の活躍を見せている。20日(日本時間21日)のロイヤルズ戦で4安打9奪三振の快投を見せメジャー初完封を飾ったカージナルスのマイルズ・マイコラス投手。昨年まで巨人で3年間先発ローテの一角として活躍した右腕は、今季ここまで開幕から9試合に先発し6勝0敗、防御率2.24という圧巻の成績を残している。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイティッド」電子版では「マイルズ・マイコラスの素晴らしい成功の理由は?」と特集を組み、その秘密を解き明かしている。

 同誌はここまでのマイコラスの活躍を振り返り、直球の平均球速が95.3マイル(約153キロ)、ツーシームは94.5マイル(約152キロ)を計測していることを紹介。防御率とWHIPでメジャー10傑に入る速球派のジャスティン・バーランダーやマックス・シャーザーらは、少なくとも26.8%の奪三振率をマークしている中で、マイコラスの奪三振率は19.4%と低いことを指摘している。

 160キロに近い速球で三振を奪う現代のメジャー流を逆行するかのように、打たせてアウトを奪うマイコラスのスタイル。記事では「シーズンを通して奪三振率が20%以下、防御率2.24程度を保った先発投手は、2009年のクリス・カーペンター以来だ。その前は1997年のグレッグ・マダックスまで遡る。1978年以降、20試合以上に先発した投手がこういった成績を残したのは、わずか12シーズンだけだ」と、その“貴重さ”について言及している。

 マイコラスが投げる球種はフォーシーム、ツーシーム、カーブ、スライダー、チェンジアップで、以前と変化していない。だが、巨人に移籍する直前のレンジャーズ時代はセットポジションから投げていたが、今はワインドアップに変わっていることを指摘。かつては救援投手だった影響にも触れながら、「走者がいない時にワインドアップする今のマイコラスは大きく違う。以前はプレートの極端に一塁側を踏んでいたが、今は中央よりもやや右(三塁)寄りである」と分析している。

 そして、レンジャーズ時代は四球で自滅するパターンが多かったが、巨人に入ってからは制球が安定して四球が激減。3年間で62試合に先発し31勝13敗、防御率2.18の好成績を残したことをレポート。今季も初球ストライク率は71.3%とメジャートップで、各球種をストライクゾーンの角に集めていることをチャートを用いて紹介している。

 同誌は今やエース級の活躍を見せる右腕を絶賛し、「カージナルスがマイコラスと2年1550万ドル(約16億9600万円)の契約を結んだ時、これがオフにおける最高の契約になると予想した人はほとんどいなかっただろう」と締めくくり、カージナルスにとって“うれしい誤算”だったとした。

(Full-Count編集部)

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