以前とは「完全に別人」の田中が大谷に“勝利” 地元メディアも対決に注目
地元TVは2013年の「24勝0敗」にも改めて注目「素晴らしいこと」
ヤンキース田中将大投手とエンゼルス大谷翔平投手のメジャー初対決が27日(日本時間28日)に実現した。田中が「打者・大谷」を2打数無安打1四球2奪三振に抑える“完勝”。6回3安打1失点の好投で6勝目(2敗)を挙げた。地元テレビ局の中継では、両者がNPB時代に対戦した2013年に田中が24勝0敗の圧倒的な成績を残していたことをあらためて振り返り、メジャーデビュー後に「完全に別人」になったヤンキース右腕が勝利したことを伝えている。
メジャーで初めて実現した2人の対決。初回2死一塁で大谷が打席に入ると、ニューヨークの地元テレビ局「YES」の実況マイケル・ケイ氏は「さあ、ここで大谷が打席に入ります。タナカVSオオタニです」と伝え、「彼らが日本で対戦した際には、オオタニはまだ18歳でした。そして、そのシーズンはタナカにとってヤンキースと契約を結ぶ前の最後のシーズンでした」と紹介。呆れたように笑いながら「その年、タナカは24勝0敗でした」と驚異のデータをあらためて明かすと、解説者のポール・オニール氏も「かなり素晴らしいことですね」と苦笑していた。
そして、この打席の結果はフルカウントからのスプリットで空振り三振。実況は「空振りです! 低めに決まりました! タナカがオオタニとの対決に勝利しました!」と絶叫。両者の対決は見応え十分で、大谷が5球目のスライダーを空振りしたときには、オニール氏が「オオタニは地下鉄のホームまで飛ばそうとしていますね」と指摘する場面もあった。ヤンキースタジアムのライト後方には地下鉄の駅がある。
実は、大谷との対決の前、トラウトの打席で実況は田中の直球の割合が、メジャー1年目の2014年は48.1%だったのに対して、今季は27.3%まで減っていることを紹介し、「完全に別人です」と伝えていた。当然、大谷が2013年にNPBで対戦したときとも違う。そして、この日はそのスタイルで大谷を封じ込めた。
大谷は試合後、5年前との違いを聞かれ、「今日の3打席だけで分かるかと言ったらそうではないと思うんですけど、ボールの見え方だったりとかは進歩はしてるんじゃないかなとは思いますし、田中さんは田中さんで経験を積まれているので、難しい打席も多くなるんじゃないかなと思います」と話した。今後も、2人の勝負に日本だけでなく米国でも注目が集まることは確かだ。