メジャー通算107発も…サイン盗みの“主犯格” オリ大物助っ人「マーゴ」の壮絶過去

アストロズ時代のマーウィン・ゴンザレス【写真:Getty Images】
アストロズ時代のマーウィン・ゴンザレス【写真:Getty Images】

サイン盗み事件では、最も恩恵を受けた選手と米メディアから指摘された

 オリックス入りした大物助っ人は、いったいどんな人物なのだろうか……。メジャー通算107本塁打の実績を誇るマーウィン・ゴンザレス内野手の獲得が、15日に発表された。「MarGo(マーゴ)」の愛称でメジャーリーグのファンにはおなじみの選手だが、アストロズのサイン盗み事件では“主犯格”とされ、以降は打撃で苦しんでいた。話題に事欠かない新助っ人を紹介したい。

 ベネズエラ出身で、2005年にカブスと契約してプロ入り。2011年にはルール5ドラフト(現役ドラフト)でレッドソックスに指名され、その後にアストロズにトレード移籍した。2012年に開幕メジャーをつかみ取り、主に遊撃手として80試合に出場。2013年4月2日(日本時間3日)のレンジャーズ戦では、ダルビッシュ有投手の完全試合を9回2死からの中前打で阻止した。

 その後は、バッテリー以外の全ポジションを守れるユーティリティという立ち位置を確立したが、転機となったのは2017年だった。突如として打撃が開花し、134試合の出場で打率.303、23本塁打、90打点、OPS.907の好成績を残した。アストロズはこの年世界一に輝き、ゴンザレスはMVP投票で得票も得たが、後に「サイン盗み事件」が発覚して“主犯格”として謝罪に追い込まれた。

 サイン盗み事件を徹底調査したトニー・アダムス氏は、2017年にアストロズ本拠地で行われた58試合のすべての投球でゴミ箱を叩く音がしないかを確認し、聞こえた回数を記録した。米スポーツ局「NBCスポーツ」は当時、この結果をまとめ、「マーウィン・ゴンザレスの時にその音が1番多く聞こえ、776投球中147回だった」と報じている。

 また、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」も、ストライクゾーンから低めに外れる変化球のスイング率の変化を調べた。ゴンザレスは前年の40%から10%に大きく減少しており、恩恵を受けていたと指摘されている。2019年にはツインズと2年総額2100万ドル(約28億円)で契約したが、2年で167試合に出場し打率.248、OPS.698と大きく成績を落とし、悪いイメージを払拭できなかった。

 その後は、2021年にレッドソックス、2021年途中からアストロズ復帰、2022年にはヤンキースと渡り歩いたが、打率は1割台に低迷。昨季は86試合に出場し、打率.185、6本塁打、OPS.576の成績だった。守備では右翼で20試合、遊撃で20試合、左翼で16試合、一塁で14試合、三塁で12試合、二塁で3試合、投手で1試合と様々なポジションをこなした。今季で34歳を迎える両打ちの中距離ヒッターは、日本でキャリアを仕切り直せるのか注目だ。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY