熾烈を極めるア・リーグ、プレーオフ進出への戦い。

レイズからロイヤルズまでわずか2ゲーム差

 プレーオフ進出への戦いがいよいよ熾烈になってきた。米全国紙USAトゥデーは12日、ア・リーグのワイルドカード争いに焦点をあてた特集記事を掲載した。「ファイブ・チーム、ワン・ワイルドカード」と題し、ワイルドカード2つ目の椅子を狙うレイズ、ヤンキース、オリオールズ、インディアンス、ロイヤルズについて分析。現在の位置、今後の日程、プラス要素、マイナス要素などの項目にわけ、各チームの可能性を探っている。

 11日時点でプレーオフに進出できるワイルドカード2位につけているのがレイズ。例年、シーズン終盤に強さを発揮し、猛烈な追い上げを見せることが最大のプラス要素だ。昨年、一昨年の9月1日以降の成績はトータル36勝21敗と大幅に勝ち越している。投手陣も充実しており、今季、相手チームを4安打以下に抑えた試合は20試合でア・リーグ最多。ただ、逆に攻撃陣は8月1日以降に1試合平均3・2点しか取れておらず、これがマイナス要素だという。

 レイズを1ゲーム差で追うのがヤンキースだ。アルフォンソ・ソリアーノをカブスから獲得、また、薬物疑惑の渦中にあるアレックス・ロドリゲスが負傷から復帰して以降は攻撃がパワーアップ。8月1日以後のチーム打率は2割6分5厘、長打率は4割1分8厘で、それ以前の同2割4分1厘、3割6分8厘から大幅に数字を上げている。一方で、投手陣は本来のエースであるC.C.サバシアが防御率4・82と不安定で、安定感抜群の黒田博樹が頼みの綱となっている。

 ヤンキースからわずか0・5ゲーム差の4位タイには、オリオールズ、インディアンスの2チームがつける。オリオールズの失策42はメジャー史上最少ペースで、投手陣はここ4試合連続で2ケタ三振を奪うなど力強い。しかし、抑えのジム・ジョンソンが今季メジャー最多となる9試合のセーブ失敗と安定感に欠ける。

 インディアンスは、オールスター後にルーキー右腕のダニー・サラザーが先発ローテーションに定着して防御率3・34と奮闘。残り試合でホワイトソックス、ツインズ、アストロズと下位に沈むチームとの対戦が多いことも有利だが、一方で直接対決がないためにライバルチームが負けるのを待つしかないというマイナス要素もあるとされている。

 この2チームから0・5ゲーム差の6位はロイヤルズ。ア・リーグ首位のチーム防御率3・52を誇り、守護神のグレッグ・ホランドはリーグ3位の42セーブと頼もしい。ただ、攻撃陣は23歳のエリック・ホズマー、27歳のビリー・バトラー、23歳のサルバドール・ペレスらが主軸を形成するなど若手が多く、経験不足が不安要素だ。

 レイズからロイヤルズまでわずか2ゲーム差。ワイルドカード首位のレンジャーズも含めれば、4・5ゲーム差の間に6チームがひしめいている。稀に見る混戦の行方がどうなるか、誰にも予想できない。

※数字はすべて11日時点のもの

【了】

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