痛恨ミス連発に「俺としてはありがたい」 ダルも称賛する人間性…栗山監督の“思考”

侍ジャパン・栗山英樹監督(左)【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・栗山英樹監督(左)【写真:荒川祐史】

シート変更直後のエラー「途中から出場すれば固くもなるよ」

 3月の「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に挑む侍ジャパンは25日、ソフトバンクとの強化試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」(ひなたサンマリンスタジアム宮崎)に8-4で勝った。6回の守備では2失策をきっかけに4点を失い、守備面で課題も浮上した。しかし、試合後の栗山英樹監督の談話には、ダルビッシュ有投手(パドレス)が「栗山監督は選手に恥をかかせない」と称賛する人柄がにじみ出ていた。

 侍ジャパンは6-0とリードした6回の守備で、ベンチへ退いた村上宗隆内野手(ヤクルト)に代わり、センターを守っていた周東佑京外野手(ソフトバンク)がサードに回った。同時に源田壮亮内野手(西武)に代わり、中野拓夢内野手(阪神)が途中出場でショートの位置に就いた。ところが無死一塁で、ゲッツーコースの三ゴロを捕球した周東が、二塁へ悪送球し、無死一、三塁にピンチが拡大。続く三森大貴内野手の遊ゴロを、中野がファンブル(適時失策)。これをきっかけに、この回一挙4点を失い、試合途中にシート変更があった場合の守備に課題を残したのだった。

 だが、栗山監督は試合後、ミスをした2人をかばった。「いやいや、人がやることは、うまくいかないことがある。それを取り返しながら、最後に勝ち切るのが本来の野球なのでね。途中から出場すれば、固くもなるよ」。さらに「逆に言うと、なんとなくスーッといくより、すごく意味のあるゲームだった。本番前にいろいろな課題が出るのは、いいことだと思う。俺の立場としては、ありがたい展開になった」と前向きにとらえた。

 エラーした2人も、そのままでは終わらなかった。ソフトバンクに2点差に迫られて迎えた7回2死走者なしから周東が三塁線突破の二塁打でチャンスメーク。この後ソフトバンクのダブルエラーで、周東は追加点のホームを踏んだ。なおも2死二塁の場面で、今度は中野が右前適時打。「エラーをした後だったので、取り返そうという気持ちで打席に立ちました」とコメントした。中野は試合に引き続いて行われたタイブレークの練習でも、1点ビハインドで迎えた1死三塁の状況で、同点の右前適時打を放った。

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