「緊張はとことん、するもの」 五輪MVP山田哲人が明かす大舞台での心持ち

侍ジャパンの一員としてWBCに臨むヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】
侍ジャパンの一員としてWBCに臨むヤクルト・山田哲人【写真:荒川祐史】

「僕のミスを何回も取り消してくれたので感謝しています」

 ヤクルトの山田哲人内野手は、野球日本代表「侍ジャパン」として第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪回を目指す。3度のトリプルスリー(3割30本30盗塁)を誇る山田が「本当に凄い。頼れる存在です」と話すのが、チームでも同僚で、ともに日の丸を背負う村上宗隆内野手だ。7歳下の主砲の“凄さ”や、国際大会での重圧との戦い方などを明かした。

「あんなに打つ選手が味方にいるなんて心強いですし、昨年も僕のミスを何回も取り消してくれたので感謝しています」

 キャリアワーストの打率.243と苦しんだ昨季の山田は特に、日本人最多の56本塁打で史上最年少3冠王に輝いた村上に救われたとの思いが強かった。「凄いところはたくさんあります。単純に言ったらパワーも周りの人よりも全然ありますし、技術も右に左にセンターにどこでも本塁打を打てるのは彼の強みでもある。同じプロ野球選手ですけど、見ていて感動しますよね」と説明する。

 高卒新人として入団してきたときから「いずれ出てくるのは分かっていましたし、こういう選手になるだろうというのは僕だけではなくヤクルトの選手はみんな分かっていた」。誰もがパワーと技術には一目置いており、23歳の若さで国を背負って4番を務めていることに驚きはない。

 公私ともに仲のいい2人は、食事に出かければ打撃理論も交わす。「あまり僕はしたくない派なんですけど、彼はしたい派」と笑いながら、「僕にとっては少し理解不能で、僕はそのやり方ではできないと思うんですけど、かといって、詳しく聞くと全部理にかなっている。そういうところもしっかり考えながらやっている選手」と“頭脳”にも舌を巻く。だからこそ「年下ですけど、尊敬する部分はたくさんあります」と素直に称えることができる。

「負けたくないという気持ちもありますし、ただ凄いってもう認めているので、そこは複雑ですよね。俺も負けんぞという気持ちは持っています。なんというか……凄いなって思って頑張って追いかけている感じです」

襲い掛かる重圧「正直逃げたくなる」も「緊張した中でいいプレーを」

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