16打席無安打も「いいんじゃないかな」 掴んだ手応え…山田哲人にあった“打てる予感”
途中出場で8回に左前適時打「あんな喜んでくれるんだ」…仲間に感謝
盛り上がるベンチを見て、やっと笑みがこぼれた。野球日本代表「侍ジャパン」の山田哲人内野手(ヤクルト)は、9日の「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」1次ラウンドの中国戦(東京ドーム)に8回の守備から途中出場。打席が巡ってきた8回1死満塁で放った左前適時打は、チーム結成後、実に17打席目にして初の快音だった。
ボールが先行し、カウントは0-3。首脳陣からは「打て」のサインで背中を押された。結果は空振りだったが、しっかりと振りに行けた。心も整った。5球目も迷わずフルスイングすると、痛烈なライナーが三遊間を抜けた。「全集中して入って思い切り振れました」。ベンチではチームメートが両手を上げて祝福。久々のヒットに「あんな喜んでくれるんだ」と安堵した。
昨年11月の強化試合では、全試合で1番を任されるなど、正二塁手として期待されていた。しかし、チーム結成後、2月25日、26両日のソフトバンク戦(ひなたサンマリンスタジアム)、3月3日の中日戦(バンテリンドーム)まで9打数無安打6三振。本調子を取り戻せず、4日の中日戦では初めてスタメンを外れ試合に出なかった。
本戦前最後の実戦だった7日のオリックス戦では他の“不調組”に当たりが飛び出た。村上宗隆内野手(ヤクルト)に初アーチが飛び出し、山川穂高内野手(西武)も試合前まで16打席ノーヒットだったが、代打で適時打、さらに本塁打を放った。あとは山田だけだった。ただ、それでも焦りは無かった。