侍ジャパンに欠かせぬ“多忙すぎるお世話役” 世界一への献身「周りのこと全部やる」
侍ジャパンのチームコーディネーターを務めるルーク篠田さん
メジャーリーグでの球団広報を経て、野球日本代表「侍ジャパン」のチームコーディネーターに就任したルーク篠田さん。代表チームでの仕事内容や、侍ジャパンナインの印象を語ってもらった。(インタビュー:元オリックス・鈴木優)
鈴木優(以下、鈴木):秋山翔吾さん(現広島)が日本球界に復帰したタイミングでMLBに就職したよね。その経緯は?
ルーク篠田(以下、ルーク):MLBへの就職は、実は、秋山さんがレッズに移籍した2020年から話が上がっていたんだよね。もともとWBCは2021年に開催予定で、その時点で侍ジャパンの広報を務めるという話があって。結局、新型コロナの影響で延期になったけど、2022年のシーズン序盤からまた話が上がった。秋山さんが日本球界に復帰した後もレッズに残る選択肢はあったけど、MLBの方から「侍ジャパン関連で全運営のポジションを任せる人がまだ見つかっていない」と言われたので、「では、来月ニューヨークで」と。
MLBでは、僕がメジャーの球団広報をやっていたことは知られていたので、いきなり「来週レッドソックスとオリオールズのリトルリーグ・クラシックのイベントがあるから、日本のメディア担当をよろしく」みたいな。同じ会社の人もあまり知らない状態のまま始まった。
WBCに関しても、「全体のオペレーションと審判団の手配をよろしく」と。9月はドイツに2週間いて、2日だけニューヨークに戻って、2週間パナマで予選を手伝った後、また日本代表の強化試合のためにニューヨークから東京と札幌に行くという生活だった。
鈴木:秋山さんが日本球界に復帰してからはバタバタだね。MLBで働くのは、球団で働いていたときとどういう違いがある?
ルーク:球団にいたときは、チームが勝つためにどうサポートするかを考えていて、MLBに入ってからは、全体を見ながら公平さを保つこと、全ての物事をどれだけスムーズにできるかを考えている。今考えると、ピザのコスチュームを着てグラウンドを走っていたところから、WBCの運営を担当するところまでよく来たなと思う(笑)。