阪神に1978年以来のチアリーディングチームが復活 36年前に消滅したワケとは
なぜ阪神タイガースにチアがなかったのか
華やかな舞台にさらなる輝きを添える16人の美女たちが選ばれた。今月26日、大阪市内で最終メンバー選考が行われた。甲子園球場に36年ぶりにチアリーディングチームが帰ってくる。
昨年までのプロ野球のチームでチアがいないのは阪神と広島の2球団だけだった。他の10球団は各本拠地でダンスパフォーマンスなどの演出がなされている。厳正なオーディションを受けて、美人揃いと言われる中日ドラゴンズの「チアドラゴンズ」、オリックスの「Bs DREAMS」をはじめ、楽天の「東北ゴールデンエンジェルス」などなど、レベルの高いダンスチームが、セクシーに、時にはかわいらしく、衣装やダンスでファンを魅了。ホームランが出たときにも登場し、弾ける笑顔とともにマスコット人形を選手に渡している。
これだけ主流になっているのにも関わらず、なぜ阪神タイガースにチアがなかったのか。球団関係者が明かす。「あの年は球団史上初の最下位になった。悪夢を見た年だったので、あまり縁起がよくないとされているのです」
あの年とは、1978年のシーズンのこと。2度目の監督就任となった後藤次男監督が指揮を執ったが、采配にも精彩を欠き、5月18日の中日戦(福井)から同27日の巨人戦(甲子園)で9連敗するなど、130試合41勝80敗9分、勝率.339という散々な結果に終わった。優勝したヤクルトとは30・5ゲームも離され、後藤監督は1シーズンで辞任した。
当時、タンクトップにショートパンツ姿でファンを魅了したタイガースチア。しかし、後藤監督とともに結成わずか1年で消滅してしまった。縁起が悪いというのが、30年以上もチアがいなかった理由だった。初めてプロ野球の球団としてチアを採用したのは何を隠そう、この阪神。しかし、今では他球団の勢いに押されてしまっており、多くの球団がチアの声援を受けていることから、今年復活することになった。そこには、先駆者としてのプライドもあるだろう。専属のチアチームは4月1日の中日戦(京セラドーム)からお披露目になるという。
プロフェッショナルチアリーディング協会や、本場アメリカでNFLチアリーダーとして活躍した女性がディレクターとして演出にも参加するなど、力のこもったプロジェクトである。試合前やイニング間のダンスだけでなく、リリーフカーの運転や、審判へのボールの手渡しなどにも登場する予定。熱狂的な応援団とともに華やかな美女たちが、優勝から遠ざかる阪神ナインを後押してくれることだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count